九度目の十八歳を迎えた君と(浅倉秋成)
「彼女は年齢を患っているのだ」
高校の頃に心を寄せラブレターも書いたが返事をもらうこともかなわなかった。アラサーとなった主人公が通勤時の駅のホームでその子が昔のまま高校に通う姿を見かける。いったい何が起きているのか、なぜ彼女は18歳のままなのか。
大人になりたくないという思春期症候群のひとつ。だが、それだけではない。主人公にまつわる大きな謎もあった。26歳はアラサーなのかと軽くスルーしていたが、伏線のひとつだった。彩雲を使ってもっとわかりやすく夢がかなったことを表現したほうがカタルシスもあったような気もする。
使い果たす習慣(森秋子)
物を整理していく本はたくさんあるが、この本は一歩も二歩も踏み込んでいる。物は手放すことで縛られた心も軽くなる。手放すコストも急上昇中。微妙な服、飽きた物は捨てる。足りないものは今あるもので工夫し、これはこう使うという固定観念を捨てる。洗面所がオフィスになるし、風呂場も会議室になる。
五分後に意外な結末ex オレンジ色に燃える呪文(桃戸ハル)
隙間時間に読める短編集。子どもたちにも人気。
「会えるのは一度だけ」「素敵なドラマ」「誕生」が特に面白かった。
あした、また学校で(工藤純子)
「優しいだけの人もいなければ、悪いだけの人もいない」
学校に何を期待しているのだろうか。先生に何を期待しているのだろうか。期待など捨てて、自分が行きたいと思える場所に変えるように働きかけてみる。うまくいかなければ学校など行かなくてもいい。
学校を好きな子も嫌いな子もいる。でも、少しでもみんなが学校を楽しい場所と感じられるようになるといい。
一生楽しく浪費するためのお金の話(劇団雌猫・篠田尚子)
一生楽しくオタ活を続けたいアラサー女子たちとフィナンシャルプランナーの話。最期までオタ活を続けるための柱は3つ。自分で使うお金は自分で稼ぐ。使える国の制度は徹底的に使い倒す。いざという時の3段階の備えをしておく。
ライフイベントは突然訪れるし、人生はどうなっていくか見通せない。ペースを落としても、一時休んでも働き続けるという意識は持ちたい。収入があることは信用にもつながる。
漠然とした不安はあったが、できることから行動に移すことしかできない。まずは積立NISAの口座申し込みを行った。ジャニやTwiceにはまっている知り合いにも勧めたい本。
夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)
大正時代のような文体で感心したが飽きが早く来た。