きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

フィクション

すみれ屋敷の罪人(降田天)

戦時中まで栄えていた旧紫峰邸から白骨化した死体が2体発見された。行方不明になっている2人の書生のものと思われる。遺体の身元を確認するために警察が動き始める中、つづいて3体目の白骨死体が発見される。

そのナイフでは殺せない(森川智喜)

イタリアのシリアルキラーが遺した曰く付きのナイフ。そのナイフで殺された者はシリアルキラーの死んだ時刻の16時32分に生き返る。そう、そのナイフでは殺せないのである。映画監督を志す大学生がそのナイフを手に入れ、映画表現としてナイフの能力を使い、…

救いの森(小林由香)

義務教育の自動は緊急救助を要請する「ライフバンド」の装着を義務付けられている世界。警察と同等の権力を持つ児童救命士として働き始めた主人公が難題に挑む。

対岸の家事(朱野帰子)

絶滅危惧種と言われる主婦、2年の育児休暇をとったイクメンのパパ、キャリアと子育ての両立を目指す女性など、がけっぷちにたちながら乳幼児を育てる親たちが出会い、支え合うことで生き延びることを知る。自分とは異なる形の育児を肯定し、事情を理解する…

地球星人(村田沙耶香)

生物学的には地球星人と差異のないポアピヒンポボピア星人の3人。違うのは地球星人として洗脳されていないことだけ。地球星人は仕事、結婚、出産をし、世代交代を続けていく「工場」である。工場の一部たれと、あらゆる地球星人から促されるたびに、自分た…

四十歳、未婚出産(垣谷美雨)

面白くて一気読みした。一晩だけの気の迷いから妊娠してしまい、周囲は敵だらけで孤軍奮闘。上司にも同僚にも家族にも友人にも頼れず先が見えないなかで、父親が誰かなどというのは些細なことだと気づき、周囲を巻き込みながら進み始める。

皆殺しの家(山田彩人)

「自分で納得したいんだよ。他人が僕のことを信じないのはかまわない。裁判で負けたっていい。でも、自分でも信じられないのが嫌なんだ」 兄が指名手配犯を匿い監禁していた。兄の死後は、警察官の亜季がその役を引き継ぐ。その男は不可解な事件の話を聞きた…

屋上の名探偵(市川哲也)

日常系ラブコメミステリー連作。探偵役の蜜柑花子は極度の恥ずかしがり屋で、悠介が持ち込んできた謎を花子に代わって推理披露する。

むこう岸(安田夏菜)

半ば無理やり勉強をさせられトップ校に入るも全く授業についていけず学校をクビになった和真は公立中学に編入するが、同級生の目を恐れてびくびく暮らし家にも居場所がなく、将来も悲観していた。父の事故死で母が心を病み寝たきりとなり、生活保護を受けな…

ゴースト≠ノイズリダクション(十市社)

クラスで無視され幽霊扱いを受けている主人公が実は幽霊なのではないかと読み進めた。中盤で主人公が幽体離脱をしていると明かされるが、そこで話は終わらない。動物虐待事件が続いたあとに虐待をしていた高校生の死体が発見される。結末も意外性があった。

芥川龍之介 幻想ミステリ傑作集 魔術(長山靖生編)

芥川龍之介の作品のうち、ちょっと怖い話、不思議な短編を集めたもの。前半では「開化の殺人」「疑惑」、後半では「猿蟹合戦」「桃太郎」が特に面白かった。しばらく間をあけてまた読み返してみたい。

終末少女(古野まほろ)

まさかの展開だった。道具を自在に顕現させる能力をもつということで、ゲーム内あるいはVR世界での出来事だと決めつけていた。後半で登場人物たちが天使の化身であると明かされる。天使を喰らう敵は元天使で、堕天使とも言える。堕天使は天使の能力を持つだ…

彼女たちがやったこと(唯野未歩子)

眉を顰めたくなる托卵は日本では5%~10%もいるという。 親友のために托卵を決意し実行する。その過程で2人の女性は自分の生き方を見直すことになる。それぞれの夫も自分らしさを取り戻す。ラストは悲しい別れを予見させるが、生まれた子が生みの親と会った…

もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら(神田桂一)

空いた時間で気楽に読めて、思わず笑ってしまう。「はじめに」から「解説」まで、徹底している。文豪の文体ではなく、有名作品のパロディのようなもの。漫画を混ぜたのはもったいない。

ドロシイ殺し(小林泰三)

このシリーズは間の抜けたゆるい会話の応酬を楽しめるのがよい。魔法が存在するあちらの世界から見た夢、あるいはアバターの世界としてこちらの地球が存在する。洗練された科学は魔法と見分けがつかないかもしれないが、地球には魔法はない。逆の設定ならよ…

コンビニなしでは生きられない(秋保水菓)

コンビニを舞台にした日常系謎解きミステリー連作という体裁で進む。最初の謎はコンビニ強盗。日常系じゃないのかもしれない。だが、第二章からしばらくは日常系ミステリーが続く。そして、コンビニバイトの高校生が過去に自殺した事件へと繋がり、どんでん…

大人のための世界の童話

グリム、アンデルセンほかヨーロッパ各国の民話からの抜粋。王子と美しい姫候補と障害と魔女と変身がこれでもかと繰り返される。穏やかな版を集めているので飽きやすい。せっかく大人向けなのだから、際どい版を集めたほうが面白いのに。

一週間のしごと(永嶋恵美)

何でも拾ってくるお節介な幼馴染があろうことか子どもを拾ってくる。日常系の連作ミステリーを思わせるが、大量殺人、拉致監禁、暴行と中高生の手には負えない状況になる。大人不在で事件を解決する必要に迫られる。 命の危険が迫っているのに、学校や社会の…

十二人の死にたい子供たち(冲方丁)

12人の自殺志願者、セキュリティの生きている廃病院、充分な量の薬物と好条件が揃っているのに死体は一つだけ。デスゲームか「そして誰もいなくなった」を期待していたのだが、10:2の評決で例の陪審員モノが頭をよぎり以降は読み飛ばした。12人のデスゲーム…

パラレルワールド(小林泰三)

集中豪雨と大地震のダブルパンチでダムが決壊し下流の町を襲う。5歳の裕彦は何とか生き延びたが、世界が2つに分裂し、一方では父を失い他方では母を失ってしまった。双方の世界を認知できるのは裕彦だけではなく、その能力を利用して悪事を行うものが現れ、…

わたしが少女型ロボットだったころ(石川宏千花)

中3の多鶴(たづる)はある日の朝、自分がロボットであることを思い出し、以降は食事を摂らなくなる。ロボットは食事をしないのが当然だから。しかしあっという間に体重が10kgも落ちて、外出すると人の視線を集めてしまう。 多鶴が本当にロボットなのか、は…

怪盗インビジブル(行成薫)

北中の七不思議の一つの怪盗インビジブルは、その人にとって一番大切な物を盗み、犯行声明に猫の絵の黄色の付箋紙を置いていく。 盗まれる人は何かしらの悩みを抱えている。被害者は大切な物を盗まれることで、心の中にあるもっと大切なものに気づいていく。

春から夏、やがて冬(歌野晶午)

出世街道を進んでいた平田誠は一人娘は17歳の時にひき逃げで失い、時効直後に妻が自殺する。東京を離れスーパーの保安係へと部署を変え一人で暮らすが捕まえた万引き犯が娘と同じ年の生まれと知ることで事態が変化していく。 表面的には末永ますみが殺され平…

ハンカチさがし(森山京・岡田千晶)

母と訪れた高原の別荘で白いハンカチをさがしているうちにユリは動物の村にたどりつく。ユリの身近なおもちゃを身に付けている動物たちもいる。動物たちは引っ越しを前に最後の話し合いをしている様子だった。記念撮影をしおもちゃの列車で動物たちはいなく…

きょうから飛べるよ(小手鞠るい・たかすかずみ)

小4になる春休みに入院したさくらは、病状が悪化し学校に戻るどころか歩くのもおぼつかなくなる。そんなある日、窓から見下ろす病院の庭の木に小鳥の巣を発見する。巣の中にいる4羽の雛は順調に育ちついには飛び立つ様子を見たさくらにも翼が生える。 翼と…

月光のスティグマ(中山千里)

淳平は一生護ると誓いった双子の姉舞衣と神戸の震災でともに家族を全員失い生き別れになってしまう。東京地検特捜部で政治家の横領の調査でNPOに潜入すると、舞衣はそのNPOを率いる著名な議員の秘書になり横領の片棒を担いでいた。さらに再会直後に東日本大…

青の炎(貴志祐介)

湘南の高校に通う高校生がDV親父を殺す完全犯罪を実行するが、綿密な計画が次々と綻び、とうとう同級生も殺す羽目になる。きっかけはDV親父の魔の手から母と妹を守るため。そして、最期もまた母と妹のために決意する。 倒叙ミステリーとも呼ばれるジャンルの…

人間狩り(犬塚理人)

2018年横溝正史ミステリー大賞優秀賞 20年前の中学生の猟奇殺人のビデオが警察から流出し、監察官の調査が始まる。 ネットの闇サイトでは自警団を名乗るグループが正義の名のもとに私刑を重ねる。 両者がつながり、とうとう新たな犠牲者が出てしまう。 タイ…

ペンギンは空を見上げる(八重野統摩)

英語力も技術も知識も小学生離れのぼっち小学生のハルがロケットを打ち上げ、宇宙から青い地球を撮影しようとする。プロローグから、ハルが何か重い過去を抱えているのがわかるが、それは衝撃的な内容だった。 良い意味で騙された感じが強い。仲間と力を合わ…

そのバケツでは水がくめない(飛鳥井千砂)

アパレル会社でMDを務める理世はかつてより温めていた構想をもとに新ブランドのチームに抜擢され、そこで発掘したデザイナーの美名とも親交を深めていく。美名のデザインセンスも冴えていて新ブランドも滑り出しが好調だが、理世は次第に美名から感情的に…