きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

自然科学

AIに負けない「教育」(渡部信一)

人口知能の本格的普及で社会が大きく変わろうとしている。基礎から積み上げ、教師が正解の導き方を教えるという今の教育手法も見直す時期に来ている。 AIに仕事を奪われると考えるのではなく、AIの研究から得られたことを教育に生かせると考えよう。AIが飛躍…

この世界は誰が創造したのか シミュレーション仮説入門(冨島佑允)

私たちが普段感じていること、見聞きしていることはすべて脳が作りだした幻である。たとえば色はこの世には存在しない。あるのは波長のちがう光(電磁波)だけで、脳がそれを「色」として解釈しているに過ぎない。人間が色を感じるのは、食べ物が安全か、食…

日経サイエンス 2019年10月 カンブリア前夜、「天気の子」の空

・カンブリア前夜 カンブリア爆発はエディアカラ紀に助走が始まっていた。 哺乳類や魚類など、現生動物の共通祖先となる最初の左右相称動物がエディアカラ紀には登場していた可能性が高まった。 ・天気の子の空 積乱雲の一生の説明がとても分かりやすい。 ・…

科学する心(池澤夏樹)

科学随筆。 踏み込んだ見方をしていて読み応えもあり、学生時代を思い出しなつかしく読み進めた。が、著者紹介を最初に見た時に頭をよぎった不安が第四章で的中してしまいとても残念。読む気が失せたがお金を出して買ったこともあり、残りは消化試合となった…

美しい日本の川と防災(木下武雄)

気候変動で気象現象も従来とは質がことなってきている。洪水の存在を受け入れて、持続性のある社会を目指したい。人口増加期に安価な土地を求める人が増え、水害リスクの高い土地が都市化した。洪水は起こるものという前提で準備を整えたい。洪水は自然現象…

生物学キーワード事典(垂水雄二)

確かに五十音順の用語解説なので事典とも言えるが、実際は最近の研究成果を踏まえた読み物である。五十音のそれぞれが1項目ずつ、つまり全50項目程度である。何よりも面白いのは、頭→遺伝子→運動→エネルギー→温度のように、つぎの項目へバトンを渡す際に関…

いやでも物理が面白くなる(志村史夫)

高校生の物理の全範囲プラスアルファの興味深いネタを提供してくれる。詳しく知りたい人向けの参考図書も充実。 想像力は知識より重要 知識には限界があるが 想像力は世界を包み込むことができる 知的成長は生まれた時にはじまり 死ぬまでずっと続くべきだ。…

日経サイエンス 2019年8月 人類、月へ

粘菌の意思決定、ジャイアントインパクトの新説、月の領有、時空の量子化を捉える、波動関数の収縮は物理現象か

皮膚はすごい 生き物たちの驚くべき進化(傳田光洋)

防御、交換、センサー、水分保持、コミュニケーションなど皮膚は多くの役割を担っている。様々な生物の皮膚の役割に触れつつ、最後にヒトがここまで進化したのには皮膚が敢えて体毛を捨て世界を知る装置へと進化し、脳との相互作用で新しい世界へ踏み出すこ…

日経サイエンス 2019年6月 睡眠とは何か 金星・地球の双子星

・海ぶどう(クビレズタ) ぷちぷちとした食感の10cmほどの複核単細胞生物。 複核単細胞生物は、核が分裂しても細胞全体は分裂しない。多細胞生物と単細胞生物の間にいるとも言え、藻類は菌によく見られる。 ・嗅覚インプラント ヒトの受容器数は視覚が3に…

日本の活断層 空撮写真で見る主要活断層36(岡田篤正ほか)

主要活断層を写真と図で解説。糸魚川静岡線の活断層を詳しく調べてみたい。

おもしろサイエンス 地形の科学(西川有司)

たんたんとした表現のせいか、文章が頭に入ってこなかった。

日経サイエンス 2019年4月号 走る動物ヒト

・ウルティマ・トゥーレ 形が面白い。いかにも2つの星が合体したような雪だるま型をしてたエッジワース・カイパーベルト天体。 ・走る動物ヒト 他の大型霊長類と異なり、ヒトは健康維持のために運動が必要。 ・分断の心理学 SNSが加速するタコツボ社会。 シ…

世界でいちばん素敵な科学の教室

世界でいちばん素敵な教室シリーズ。Q&A形式で4ページごとに1つのテーマ。以前に読んだ西洋美術よりも読みやすい。前ページに美しい写真があり、見ていて飽きない。

日経サイエンス 2019年5月号

頻繁に取り上げられる暗黒物質と暗黒エネルギーの話題。宇宙に存在する未知の引力が暗黒物質で、未知の斥力が暗黒エネルギー。どちらも存在が確認できたわけではなく、仮想のもの。暗黒物質は未発見の素粒子がいくつか候補に挙がっているが最新の実験でも確…

フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体(藤岡換太郎)

フォッサマグナ(フォッサ=地溝、マグナ=巨大)は糸魚川静岡線の西縁から柏崎千葉線まで幅200km、深さ6000mにわたり本州を分断する地溝である。西縁はユーラシアプレートと北米プレートの境界にあたり明瞭な線をなしているが、東縁ははっきりとしない。日…

わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑

生命の絶滅にわけがあるはずはないが、なかには理由が想像できるものもある。ここ数百年の人が原因となるものについては具体的にわかっていることもあって面白い。記録の残り方という点で人が関わる絶滅が多い。人による乱獲だけでなく、人と共にやってきた…

菌娘と学ぶ感染症イラスト図鑑

細菌、ウイルス、真菌の特徴をイラスト化。連鎖球菌なら三つ編み、桿菌ならスリムな体、双球金ならツインテール、グラム陽性菌なら紫の目、グラム陰性菌は赤い目、大腸菌は盛った髪型があれ、Y字のビフィズス菌はウサ耳などそれぞれの病原体の特徴を捉えてい…

宇宙の「果て」になにがあるのか(戸谷友則)

宇宙の果てを考えるときには、時間的な果てと空間的な果てがある。果てがわかったとしてもその向こうはどうなっているのか、さらに果てがあるのか、さらにその先はと限りがない。 空間的な果ては太陽を中心に約464億光年四方である。その向こうは光が透過し…

日経サイエンス2019年3月号 太陽 5年で世界を変える10の科学技術

・意志を生む脳回路 エイリアンハンド症候群、無動性無言症などの研究から、ヒトの自由意志をもたらす要素の一つである「運動の意図と行為主体性」は、楔形部と前帯状皮質を中心としたネットワークに関連があることがわかった。自由意志を司る脳部位とその働…

海と陸をつなぐ進化論(須藤斎)

生物と地球環境から成り立つ生態系そのもが総体として進化を続けてきた。植物プランクトンの一つである珪藻類の繁栄が他の生物に与えた影響を中心に論じる。 陸上植物の光合成とほぼ同量の光合成を海生の植物プランクトンも行っている。プランクトンの休眠と…

私は脳に操られているのか(エリエザー・スタンバーグ)

原題はMy brain made me do it. 人間は自由意志に基づいて行動しているのか、あるいは脳内の決定論的システム(アルゴリズム)で動かされているのか。脳神経生理学のさまざまな研究結果を踏まえ、人の意思と行動の関係に迫る。 AIの認知や行動決定にもつなが…

もしも宇宙に行くのなら(橳島次郎)

なぜ宇宙に行くのか。誰が行くのか。男女の比率をどうするか。地球外環境に適応するための人体改造は是か非か。AIやロボットの支援をどこまで受け入れるか。肉体の制約を脱し精神存在に進化するのか。知的生命体と遭遇したらどうするか。これらの問題は真…

鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ(川上和人)

鳥類学者の著者が鳥と鳥類学者について軽妙に語る。 一般に名前が知られている鳥類学者はジェームズ・ボンドくらい メジロ科のメグロは東京の固有種 鳥の糞の色は白ではなく黒 吸血鬼は弱者 などすぐに使えそうなネタもあるし、 実利に関わらない学問、孤島…

日経サイエンス2019年2月号 超巨大地震

・科学の森 大自然はすべてが法則の下で動いているのではなく、構造や動きには秩序があり、その規則性に気づいた人間が法則という概念を発見した。法則の信用性はこれまでの成功例をもとにした推測に過ぎない。 ・大気中ラドンが示す地下の異変 東日本大震災…

探偵AIのリアル・ディープラーニング(早坂吝)

人工知能を研究していた教授が密室で殺害され、教授が作った2つのAIのうち1つが犯罪グループに盗まれた。敵対的生成ネットワークとして自律的に学習するAIで、犯人役、刑事役の2つのAIのうち犯人役だ。犯行グループはこのAIが考案したアイデアの通りに人…

わたしは不思議の環(ダグラス・ホフスタッター)

私とは何か、意識とは何か。人に、動物に、機械に魂はあるのか。前著の「ゲーデル・エッシャー・バッハ」で伝えられなかったことを改めて伝えようと試みる本。自己言及と意識のアナロジーこれでもかと多彩な例えで示そうとしているように思える。10章ほど読…

絵でわかる 宇宙地球科学(寺田健太郎)

広く希薄な宇宙において「青い地球」はありふれた星なのか。宇宙の物質進化の必然性や偶然性にフォーカスし、地球の未来の姿を見せてくれる。世界の最新の研究成果もふんだんに取り込み、グラフを多用し客観的に論じている。最後にはドレイク方程式も解き、…

視覚心理学が明かす 名画の秘密(三浦佳世)

視覚の心理学を通して名画の秘密を解いみようとする。同時に、名画を通して視覚、認知の秘密に迫っている。芸術と科学の融合とも言える一冊。名画をこれまでとは異なる実験心理学の立場から魅力の謎を解き明かしている。作品の理解を目指したものではないが…

日経サイエンス2019年1月号 免疫と脳

・挑む アンモニア合成で100年以上も不動の地位にあるハーバー・ボッシュ法に代わり、環境負荷の小さい合成法を探す原亨和は触媒を使った画期的な方法を模索している。科学技術の目的には真理探究、生活向上、生き残りの3つがあるが、原は生き残りのための…