きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

自然科学

視覚心理学が明かす 名画の秘密(三浦佳世)

視覚の心理学を通して名画の秘密を解いみようとする。同時に、名画を通して視覚、認知の秘密に迫っている。芸術と科学の融合とも言える一冊。名画をこれまでとは異なる実験心理学の立場から魅力の謎を解き明かしている。作品の理解を目指したものではないが…

日経サイエンス2019年1月号 免疫と脳

・挑む アンモニア合成で100年以上も不動の地位にあるハーバー・ボッシュ法に代わり、環境負荷の小さい合成法を探す原亨和は触媒を使った画期的な方法を模索している。科学技術の目的には真理探究、生活向上、生き残りの3つがあるが、原は生き残りのための…

日経サイエンス2014年9月 記憶

2.52億年前のペルム紀末の大量絶滅に新説 岩石中に残るパターンが指数関数的で生物由来であることを示唆していた。噴火で大量に堆積したニッケルがカギとなり、メタノサルシナ属の古細菌がメタンを大量に生成した可能性がある。 超記憶 細部まで詳細に覚えて…

脳にきく色 身体にきく色(入倉隆)

色について考えることはあっても、暮らしを豊かにするために色を積極的に利用するという人はまだ多くない。色や光は人の心、身体に大きな影響を与えている。本書は学術的な研究で明らかになっているデータをもとに、光や色の効果について基礎的なしくみから…

日経サイエンス2016年11月 宇宙

・人は単語を視覚によって認識する。脳に視覚的辞書を編纂していると言える。失読症はこの辞書に問題があるのかもしれない。 ・ハンチントン遺伝子のパラドックス ハンチントン病は30歳から50歳で発病し、気分の変化、記憶障害に始まり不随意運動、ふらつき…

日経サイエンス2018年12月号 新・人類学

PD1(programmed death1)はT細胞で発見され、当初は細胞死に関する分子と思われが、のちに免疫システムのブレーキの一つであることが判明。がんはこの仕組みを悪用していることもわかった。2014年、抗PD1抗体を使った「オプジーボ」が世界に先駆けて日本で発…

日経サイエンス2016年8月号 量子コンピュータ

量子コンピュータの実用化はまだ先だが、いずれ稼働した暁には現在の技術では解読できない暗号も量子コンピュータで解読できると期待し、暗号化データを取得、保管しているところもある。 禁止の原因としては画面を長時間眺めることではなく、紫外線を浴びな…

人間の偏見 動物の言い分(高槻成紀)

人が動物に抱くイメージと実際のギャップについて、生態学の専門家が意見をする本。 高度経済成長を期に、日本は都市生活者が大半を占めるようになった。野生動物との出会いもなくなり、実感を持てるのはペットだけになった。他は映像からくるイメージで偏見…

日経サイエンス2016年6月号 脳内GPS

空間認識に関与する脳細胞として場所細胞とグリッド細胞がある。場所細胞は海馬にあり、位置や状況と1:1に対応したエピソードとして認識する。グリッド細胞は嗅内皮質にあり、環境情報に頼らず、身体の動きによる内部情報で位置を認識する。正三角形を敷…

日経サイエンス2018年10月 巨大ブラックホール爆誕

・巨大ブラックホール爆誕 クエーサーの正体である巨大ブラックホールのうち最遠(最古)のものは宇宙誕生後6.9億年後にできたが、現在のブラックホール理論ではそのサイズまで成長するのに10億年はかかる。このブラックホールは大質量星の死ではなく、巨大…

性格の科学(ナショナルジオグラフィック)

人間にとって最も大切なものは何だろう。幸福や愛を手に入れることかもしれないし、想像力を発揮したり、能力を手に入れたりすることかもしれない。それが何かを知るには、性格、あるいは人格と呼ばれるものの謎を解き明かす必要がある。 ナショナルジオグラ…

日経サイエンス 2018年9月 恐竜大進化

・恐竜大進化 恐竜の進化は巨大化、鳥化、多様化の3つが特に大きいが、骨の内部の空洞化、気嚢システムが巨大化、鳥化を促し、現代の鳥へと受け継がれている。 ・神経伝達の常識を覆すニューロン表面波伝播説 ニューロンの電気パルスは副産物で会って、機械…

時空のからくり(山田克哉)

思考実験と少しの数式で時空の概念からアインシュタインの一般相対性理論まで。テンソルのあたりまでで力尽きた。 時空は物質と相互作用し、縮んだり曲がったりする弾性体のようなもで、物体のように扱え、物理学の対象になる。 (1)時空の誕生 ・「場」と…

アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのか(渡辺一夫)

樹木の生き方を通して自然についての理解を深めていくことは、お驚きや楽しさを与えてくれるだけでなく、私たちが励まされたり、教えられることもある。はるか太古の時代から生き抜いてきた樹木のドラマを知ることは、私たちの心をきっと豊かにする。 「イタ…

目からウロコの自然観察(唐沢孝一)

アカメガシワの葉はなぜ赤いのか、サルスベリは本当に100日咲くのか、ヒガンバナは本当に彼岸に咲くのか。市川市に住む著者が地元を中心にした長年の自然観察の記録。疑問に思ったことは実際に確かめてみる。自分の住んでいるところの自然を観察してみたい。…

日経サイエンス 2018年8月号 AIの身体性

今月号はAIと自殺防止の記事を読んだ。 ◆AIの身体性(Self-Taught Robots) 体験を通して自律的に学ぶロボットにより、ロボット工学の進歩と子供の発達に関する知見が得られる。 脳は絶えず未来を予測しようと試みている。脳の高次の処理中枢は感覚器から受け…

動物進化ミステリーファイル(大渕希郷)

ゾウの鼻はなぜ長いか、キリンの首はなぜ長いかなど、生物の形態や生活にまつわる不思議を全ページカラーイラストで解き明かしていく。絶滅してしまった関連動物のイラストも併せて掲載。中には解けていない謎もある。 およそ40億年前に生物が誕生して以来、…

縮む世界でどう生き延びるか?(長谷川英祐)

日本が始まってから、人口・経済規模は大きくなり続けてきた。2010年に人口減少に転じ、今後も人口減少が続く。生態学と経済学は似ているが、経済学は規模の拡大を前提とした研究ばかりである。縮む世界で生き延びる生物の生き延び方を参考に、今後の経済や…

日経サイエンス 2018年7月 ミクソトロフ

ミクソトロフ 生物には独立栄養生物(autotroph)と従属栄養生物(heterotroph)がいる。独立栄養生物は植物などのように体外の有機物には依存しない生物で、従属栄養生物は動物などのように体外の有機物に依存する生物だ。それらの両方の特徴を持つ混合栄養生物…

水がなくなる日(橋本淳司)

水とお金は似て、流れもあるし、偏在もしている。しかし、金で水の流れは変えられる。それに水がないと人間は生きられない。水不足が社会のストレスになっている地域も増えている。ますます重要性を増していく水について、SDGsの観点からイラスト入りで分か…

科学の最前線を歩く(東京大学教養学部編)

今必要な知とは何か。20名余りの最先端の研究者がこれからの世代へ語る。知のフィールドガイドのうち、理系向けの1冊。 世にあふれる膨大な情報、知識の中から、そのつど適切なものを選び出し、それらを有機的に関連させるためには、過去の学問的な蓄積の全…

日経サイエンス 2018年6月号 新粒子出現か

・オプトジェネティックス 光合成をする微生物で細胞膜のゲートの役割をするたんぱく質にオプシンがある。オプシンは特定の波長の光に反応して開閉する。このオプシンを生きた枡の神経細胞に導入し、特定の神経細胞の活動とマウスの行動との関連を観察。 以…

猫はこうして地球を征服した(アビゲイル・タッカー)

原題:The Lion in the Living Room How House Cats Tamed Us and Took Over the World ヒトとネコ科の動物は生息地がかぶり、餌を奪い合うライバルだったがライオンなどの大型のネコ科動物は数を大幅に減らし、代わってヤマネコの亜種であるリビアヤマネコ(…

植物 奇跡の化学工場(黒栁正典)

植物は生命維持のための代謝としての一次代謝だけではなく、生命維持には直接かかわらない代謝である二次代謝もしている。二次代謝は植物以外にはほとんど見られない。植物はなぜここまで多様な有機物を代謝するのか。具体的な化学物質を取り上げ、構造式や…

日経サイエンス 2018年5月号 暗黒物質

今月号は暗黒物質と仮想通貨についてわかりやすい。 ・暗黒物質 暗黒物質の最有力候補だったWIMP(weakly interacting massive particles)は存在の兆候も発見されず、アクシオン、ステライルニュートリノ、原始ブラックホールなど他の候補を探す動きが進んで…

第一人者が明かす 光触媒のすべて(藤島昭)

酸化チタンに光を照射すると水から酸素が得られることを発見した著者による、光触媒のしくみ、用途などの解説。 酸化チタンの光触媒反応は強い酸化分解力と超親水性による。酸化分解力はあらゆる有機化合物を二酸化炭素まで酸化し、水をも酸化してしまう。こ…

夜ふかしするほど面白い月の話(寺薗淳也)

明るく夜空を照らす月は、肉眼ではっきり見える唯一の天体であり、ただ一つ人間が端を踏み入れたことがある天体でもある。いつもそばにいるなじみ深い天体としての月と、人類が訪れたという科学技術の側面としての月という2つの顔がある。 惑星科学のの専門…

日経サイエンス 2018年4月号 量子コンピュータ

今号で気になった記事は3本。 ・量子コンピューター最前線 2018年中にはIBM、Googleが50量子ビット級のチップ計画。数年以内には50~100量子ビットのマシンの予定。これにより、現在のコンピュータ能力を超えると思われる。 量子コンピュータの最大の弱点は…

日経サイエンス 2017年4月号

「ピルトダウン人の真相」の記事のなかのことば。 科学の場合は発見される時期というのも重要だ。その時代の理論で解釈できない結果は無視されてしまいがちだ。

日経サイエンス 2018年3月号 生命の起源

今号は微生物ネタが豊富。気になった記事は以下の3本。 ○暗い太陽のパラドックス 星進化の標準モデルによると、30~40億年前の太古代は、太陽光度が現在より20~30%低く、全球凍結するレベルだった。なのに太古代は全球凍結しなかった。全球凍結があったの…