きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

もう切るわ(井上荒野)

 占い師の男がいる。不倫をしているその妻と、男の愛人が交互に一人称で話が進んでいく。男が癌で余命宣告を受けてから動き始める。

 登場人物がみんな迷いつつ二股をかけている。脇役も含めて四人が二股。

 「切る」のは電話でも関係でもなく。

 

「夫は今、まちがいなく私とともにいて、そのことに私は思いがけない幸福感と、同じ分量の絶望感をもたらしている」