日傘のお兄さん(豊島ミホ)
小さかった頃に一緒に遊んでくれていたお兄さんがやってきた。紫外線アレルギーで、いつも日傘をさしているお兄さん。少女趣味のお兄さん。私はお兄さんと一緒に逃避行に出て、生きる目標を見つける。
あとがきによると、筆者はこの作品で筆を折るつもりでいたとある。最後の作品なので自由に書いたとのこと。図書館で他の作品も見かけたので、このあとも作品を発表しているのかもしれない。
4つの短篇からなるこの本は主人公がすべて女性。最初の「あわになる」が印象的。叶わない祈りはせつない。