窓から見える最初のもの(村木美涼)
「帰り道、ここは終点ではなく、始点になる」
心を惹かれた男性が実在の人物ではないと聞かされた心療内科に通う短大生、探し求めていた幻の油絵を発見した壁紙販売会社社長、喫茶店を紹介する不動産業の女性、自分の家で届が出されていることを知った会社員。惹かれ合うが、交わることはない4つの謎と4人の物語。
第7回アガサ・クリスティー章大賞受賞作品。選評つき。
4つの個別のミステリに分解してしまうと、なんということもないが、絡み合うと一つの大きな謎のような錯覚も起こす。読み易く、続きが気になり一気に読んでしまった。