きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

子どものいない人生の歩き方(くどうみやこ)

第一部 子を生まない女性との関わり

・男性と違い、女性の人生は既婚、未婚の区別よりも、子供の有無のほうが、自分の人生に与える影響が大きい。

・子を生まない女性のロールモデルが少ない。

・多様な生き方を求める動きはあるが、固定観念や偏見から解放されていない。

・子を生んでいない女性の発する声が小さい。

・産めないとわかったときの心のダメージは大きく、他人の子どもを見ても目を逸らしてしまう。

・甥、姪をかわいがる、仕事にやりがいを感じる、趣味にやりがいを感じる、いずれはパートナーが欲しい、ずっとこのままでいいなど、考え方も多種多様だが、外的プレッシャーがある。

・子を持たないことを推進しているわけではないのに、出生率は上げるべきという固定観念、すりこみがあるが、その呪いを解いて充実した人生を送りたい。

・子のいない人生を切り開き、新たな幸せの形を作れるチャンス。

・パーソナルでデリケートな問題なので、他人がずけずけと入ることではない。心に葛藤を抱えた人は、思いを口にしたがらない。

 

第2部 子どものいない女性の声

不妊当事者の交流会に参加し、思いを話したらラクになった。

・出産をした人におめでとうと素直に喜べない自分が情けない。

・年賀状に子供の写真が写っているのを見ると落ち込む

不妊治療の技術向上もかえってプレッシャーになる。

・子がいないおかげで夫婦の絆が深まった。

・他の人と比べ、ひがみやすくなった。

・似たような境遇で、ロールモデルとなる人に出会い、前向きになった。

・命が助かっただけでもありがたいと思えるようになった。

・逆に、自分の苦い経験を伝えることは、誰かの力になる。

・誰かの役に立ちたいと思う気持ちが、自分を輝かせる。

・自己満足かもしれないが、ボランティアであっても、人の役に立つことは素直にうれしい。

・40代以上の2人で結婚するなら、別居婚や通い婚もいい。自分ひとりの生活リズムができあがっているから。

・運命だったと諦めて、他のことに目を向けた。

・人生は思ったことを受け入れて、先に進むしかない。

・どれだけ苦しい場所にいても、今いる状況で楽しさを見出すことが大切。受け入れながら、どう好転させていくか。

・外に出られない。

・子供を見ると、苦しくなる。

・妊婦を見ると、突き飛ばしたくなる衝動がある。

・ペットを飼っているのは、子供がいないせいだと思われたくない。

 

第3部 各分野の専門家から

・乳幼児の母は、「自分の子は特別」と考えるアンフェア脳

・未産女性と比べ、段取りのリセットが上手で、臨機応変力、タフさにつながる。

 未産女性は突き詰める考え方が得意。

 脳に違いも出てくるので、子のいる母といない母は話がずれやすくなる。

・「子なし」ハラスメントを受けたら、科学的でも合理的でもないので、頭が悪い人であると見下してよい。ただのマウンティングである。

・子がいる場合は、自らの存在意義が約20年確保される。子のいない場合は、他人から頼られ、感謝される場があるとよい。これは夫では物足りない。

・子のいる母は「巣立ち症候群」にかかる人もいる。

不妊治療中の心情はジェットコースター

・親性(おやせい:母性・父性)は先天的なものではなく、学習や体験ではぐくまれるもの。子の親であるかどうかは関係ない。

・落ち込みがどこまでも果てしなく続くことはない。自分がホッとできる時間や楽しいと感じることのできる時間を大切にする。他者からヒントをもらうのもいいが、最終的には自分の気づき。

・「結婚はまだ?」、「子供はまだ」など言われたら、その場を外す。自分がどの程度気にしているかによるが、ストレスをコントロールする上で、自分自身の傷つき程度や考え方のくせを見直してみる。

・他者にどう認めてもらうかという外的な基準ではなく、自分はこれが好き、楽しいといったことに目を向けてみる。

・さまざまな制約の中で、人は誰しも悲喜こもごも。さまざまな物語を抱えて生きている。自分自身の唯一無二の人生をしっかり大切にしよう。自分のことを信じ、自分の人生の価値を認めよう。

・結婚、子供、仕事の全部を手に入れるのが良いという風潮があるが、全部を手に入れると相当ヘトヘトになり疲れ果ててしまう。

・外からのプレッシャーは距離を置くことはできるが、自分自身で責めてしまうのはつらい。

・子供がいたら幸せだろうというのは思い込みにすぎない。子供がいて良いことは「もし子供がいたらどうなんだろう」と思い悩まないことだけ。さらに言うと、「子供を産まないの?」と言われなくなるくらい。

・ライフスタイルも多様化し、女性の場合は特に隣の芝生が青く見えてしまい、マウンティングが起きやすい。

・外国はカップル文化の国も多いが、日本は「おひとりさま」が暮らしやすい国。中には籍を入れること自体がリスクと考える国も多い。

・自分の人生を好転できるのは自分だけ。

・親とは別のコースを歩むことに不安になりがちだが、これからは子を産まないというコースを歩む人が増えてくる。近未来の日本では30%の女性が子を産まないと予想されている。まだきちんと舗装されていない「子どものいないライフコース」を切り開く。

・オリジナルのコースを作れるのは自分だけ。寂しい人生にするか、満ち足りた人生にするかは主人公である本人次第。