きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

江戸川乱歩と横溝正史

 江戸川乱歩横溝正史の二人の推理作家の歩みを辿りながら、日本の探偵小説の歴史を紐解いている。乱歩は戦前から次々と事業を起こしている。事業自体は成功するが、本人が飽きて長続きしない。戦後は業界を牽引し、まとめ役となり、探偵ものを書く時間が取れない。一方で横溝は落ち着いた環境でじっくりと書くことができた。

 書き方で言うと、乱歩は連載しながら、思いつくままにストーリを作っていくスタイルで、横溝はプロットを完成させてから書き始めるスタイル。本格ものを書きたくても通俗ものを書かざるを得ない状況は二人に共通していた。

 

 個人的なトリビアをいくつか。

・「D坂」は渋谷道玄坂だと思っていたが、乱歩が住んだことのある団子坂だった。

・獄門島の設定を妻に話したところ、「犯人は○○なのね」と言われ、それがあまりにも意外だったので、その設定で書くことにした。

・横溝は吉祥寺に住んでいたことがある。

・横溝の家系図は、作品なみの複雑さだった。