はじめての地理学（富田啓介）

　多くの学問は扱う対象によって定義されるが、地理学は空間の広がりや場所による違いに注目するという「観点」で定義される。地理学は地表にみられるあらゆる事象を、互いの関係性を見極めながらかいめいする学問である。それぞれの地域を総合的に取り上げ、値域の全体像を明らかにする地誌学と、ひとつひとつを分析的に取り上げ、空間的な広がりや偏りを追究する系統地理の２つがある。系統地理は自然地理学と人文地理学に分かれる。

　他の様々な学問分野とも重なり立ち位置が曖昧であるため、地理学は他の学問分野との競合もあり理解されにくい分野である。一方で、他分野と協力し、地理学だからこそできることもある。本書は身近な話題をテーマに自然地理学の基礎をわかりやすく解説している。