思い出のとき修理します(谷瑞恵)
「過去は変えられない。でも、修復することはできる。自分の一部だと認めて、大事にしたいと思うなら」
仕事にも恋にも家族にも居場所がなく、仕事とをやめ思い出の商店街で祖母が働いていた美容室跡と借りる明里。不思議な出来事に巻き込まれ、向かいの時計屋のイケメンとともに事件を解決していく。そして、イケメン自身のかかえる問題も、さらに、明里の問題も「修理」することになる。ミステリーなのに癒される5編の連作短編集。
神社の不良息子の太一がまるで「いたずら好きの神様」のよう。要所要所で明里を望ましい方向へと、半ば強引に導く。
続編も出ているようなので続けて読みたい。
収録作品:
黒い猫のパパ
茜色のワンピース
季節はずれの日傘
光をなくした時計師
虹色の忘れ物