ナイス☆エイジ(鴻池留衣)
「ナイス☆エイジ」、「二人組み」の中編2つ。
「ナイス☆エイジ」はタイムトラベル物。自称タイムトラベラーが本物かどうかの判定が難しい以上に、自称タイムトラベラー本人がタイムトラベルに成功しているかどうかの確信が得にくい。シュタインズ・ゲートを連想する。
別の世界線へとタイムトラベルする人を観測する側からは、単にトラベラーが消滅したことと、タイムトラベルに成功したことの区別ができない。それを利用して、人口増加に悩む国や地域が偽のタイムマシンを国民に売りつけ、人口問題に対応することもありうるというのも面白い。
「二人組み」は自分は特別な人間だと思いたいが、自信を持てない思春期の男子中学生と、言葉を発しないクラスメイトの話。
人物の登場や言動が突然だったりする部分もあり、粗削りな感じがした。「自分の常識とは別の常識があり、理解できない人がいるかもしれない」ということを意識して欲しい。