きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

虚像のアラベスク(深水黎一郎)

 日本を代表するバレエ団で起きた2つの事件についてのミステリー。フランス語のバレエ用語の解説がしつこいくらいに繰り出される。1つ目の事件は前菜のようなもので、動機もありがちな気もするが、2つめの事件が面白い。天然でとぼけたようなダンサーの語りで進み、装身具盗難事件と社長殺人事件が発生する。語り口や登場人物の名前に違和感があるが、もちろんそれもトリックの一つ。驚愕の真実が明かされるが、その直前に気付いてよかった。