きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

真実への盗聴(朱野帰子)

 とある手術で聴覚が手に余るほど発達してしまい、小春は生きづらさを感じていた。家族にも理解されず、就職した会社では人を追い詰めるために能力を使うことを強要される。ときにパワーをもつ老年世代と希望のない若年世代の対立が生まれた時代。さらに老年世代の寿命を30年伸ばすDNA操作薬品も発表された。転職活動でかつて小春の手術にかかわった人物と出会い、小春の未来が開けていくかに思えたが。

 

 近未来の異能を扱っているともいえる。身に余る能力は社会から敬遠され、能力は好ましくないことに利用されるのはよくある話。能力に理解のある人が周囲にいないと不幸にしかならない。ASDの人にも多いが、敏感な張力というのは負担が大きいと思われる。雑多な音の洪水の中からどのように必要な音のみを選んでいくか、認知やAIなどと絡めると研究も面白そうではある。