きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

廃園日和(行成薫)

 いつまでも当たり前のように存在するものなどない。心に秘めた思いを口に出すことができたり、諦めた夢を思い出したり、思い出を再確認したりと、30年間営業を続けてきた遊園地の閉園の日を舞台にした連作。一気読みしたわけではないので、複数の話に登場する人物の名前が松永さん以外は頭に入らず、名前探しで読み返したりした。こんなに都合よくいくわけがないとは思いつつ、暖かい気持ちで読むことができた。

 謎だったのは愛子さんとタクシー運転手。他にも顔を出していたのだろうか。つながりがよくわからなかった。3番目と6番目の短編では女性の一人称がカタカナで「アタシ」となっていたが何か狙いがあったのだろうか、一読しただけでは気づかなかった。