きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

春の旅人(村山早紀・げみ)

 絵本の形で出版され、一般の人の目にはふれないままだった作品に書き下ろしの1編を加えた短編集。

 

花ゲリラの夜:「人は誰かを好きになるとき、自分がなりたい姿をその誰かに重ねて見てるんだ」3作の中では一番よかった。作者が伝えたかったことを言葉で表現したということだろう。今すぐは無理かもしれないし、ゆっくりでもいいから自分がなりたい自分にいつかは近づきたい。

春の旅人:「ただいま、地球のきょうだい!」51年ごとに桜の植わっている地球のこの場所に卵を産みに来る亀たちの声だった。51年前は戦争中だった。51年後はどうなっているのだろう。51年というのが絶妙の年で、読者として子どもを想定しているなら51年後をリアルに想像したりもしただろう。私は51年後は生きていないだろうが、次につながる何かを残しておきたいものだ。

ドロップロップ:赤で始まり紫で終わる一日。一日にはいろんな色がある。サクマドロップをイメージしているが、UHA味覚糖のキャンディセレクションもオススメ。個包装で湿気ったりしません。