きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

かんがえる子ども(安野光雅)

 じぶんから考える子どもになってほしい。そういう子どもが増えてほしいと思うすべての人に読んでもらいたい本。

 

 子どもは誰でも空想の世界で遊んでいる。ありもしないことを本当らしく話したり、ルールのある野球でも、都合の良いルールを作りだしそれを正しいと考えたりと「生活の知恵」を身に付けていく。体育の時間の野球と、仲間が集まっての野球とでは中身が違う。子どもの遊びは学びそのものである。子どもの「勉強」を大人が思う「勉強」に当てはめるのは、ほとんどの場合、大人の勘違いである。

 しつけなんて不要で、自分で気づくまで待てばよい。作法も礼儀も言葉も下手でも、歓迎の気持ちが伝われば充分である。

 子どもを叱るのは大人が邪魔をされたときに大人の都合であることが多い。子ども自身の成長に必要で叱っている人は少ない。大人は後のことばかりを重く見て、子どもの今を大事にしていない。

 読書は本を介して、同じ本を読んでいる人間どうし共通の立場ができる。ヒトと同じ感慨を持つことができる。共通の理解ができ、共通の言葉があるといった共通の感覚に出会えると嬉しい。美談調の本を勧める親が多いが、美談はほとんどが嘘であり、作られた感じがする。

 自分の考えを持とう。どんなことにも心を動かされない頑丈な地点に立って、自分は慌てないという堂々とした考え方が必要。自分の考えがなくなると無責任になり、人の意見に振り回されたり、惑わされたり、面白くない生き方になってしまう。

 独りがいいとおもえるようになったら、いろいろな場面で怖いものがなくなる。

 たくさん本を読んで、世の中にはいろんな考え方があることを知りたいものだ。今の時代はあらゆる種類の宣伝がたくさん行われている。ある問題の半面を伝える非常に強い意見を聞いたら、もう一方の意見も聞いて、自分自身はどう思うか決めるようにした。