きまぶろ

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自分で考えて動ける子になるモンテッソーリの育て方(上谷君枝、石田登喜恵)

 すぐ手助けするより、じっくり見守るをモットーに久我山こどもの家で活動する著者たちが幼児期の子どもとのかかわり方について解説している本。

 

 子どもは本来、自分で成長していこうとする生命力を持っていて、適切な時期に適切な環境が与えられば、自分の力で成長できる。子どもたちにとって「やりたい!」と思う意欲を引き出すようにし、親や教師は子どもたちを美馬追手援助する役割をする。学びのサイクルは①心で知り、②意志で選び、③手や体を使って学び、④自信がつく。

(1)親の心構え

 結果より家庭を大切に育てる。子どもは日常生活の過程自体を楽しんでいる。例えば洗濯ならば、大人は服をきれいにしたいと思う。子どもなら手を使いごしごしすること、泡の感覚や水の冷たさなどを楽しんでいる。興味があることをとことん気が済むまで取り組ませる。

 泣く子にはまず「そうだね」と共感する。泣き止ませようとするのではなく、そこに寄り添う。共感してくれる人がいると自信を持てるようになる。原因究明や解決策を望んでいるのではなく、共感を望んでいる。

 子どもの失敗を受け入れる。子どもは失敗しながら学ぶ。最初から親が完璧を求めていたら子どもは失敗ができない。「失敗は友だち」くらいの気持ちで付き合うと、親もラクだし、子どもも自立できる。

 子ども扱いしない。子どもといえども個性のある一人の人間である。変な行動をとっても、子どもが何を考えているかは本人にしかわからない。

 「できたね」という事実をそのまま具体的に認める。過剰に褒めると「喜んでもらいたい」が動機になってしまい、子どものためではなく、親のためになってしまう。「きれい」「すばらしい」「すごい」だと何がどうすごいのか子どもにはわからない。「色がいっぱいあるね」「たくさん丸が書けたね」など、具体的に褒める。

 子どもが泣いても親は焦らない。どうして泣いているのか、どう自分で解決するのか見守る。「どうしたの?」「なんで泣いてるの?」だと、うまく言葉にできないときもあり、そうちうときは「○○が嫌だったの?」などとyes、noで答えてもらう。言葉が話せない子のときは、といかく安心できる状況を作る。外出先などで泣き止むまでときは静かな場所に移動する。言葉が話せる子には「涙が止まったら話を聞くね」などと対応する。ハイハイ前の子が泣いていたら、何に対してかを観察する。

 他の子どもと比べない。できれば年の違う子と遊ぶ機会を作る。

 子どもがどう育ってほしいか家族で一貫性を持たせる。両親の方針が異なると子どもは混乱する。お母さんが息が詰まったときに、家族で相談できれば、みんなの幸せにつながる。

 母親も子どもと一緒に成長するもの。とにかく自分がしっかりしなきゃと肩肘を張る必要はない。子どもは自分の力で成長できる。

(2)子供がスクスク育つ親子の行動習慣

 子どもが困っていても、「できるところまでやってみて」と、手伝うのはできない部分だけにする。

 子どもの前で「うちの子はまだまだだから」などと本人を卑下しない。これは大人の世界で成り立つことで会って、子どもは傷つき、いつまでも覚えている。

 歩くことで子どもの興味を発見する。歩くことは親子がわかり合う時間にもなるし、交通ルールも教えられる。「早く歩きなさい」などというと学びの機会を失ってしまう。

 水遊び泥遊びは子どもの成長に大切なものが詰まっている。重さ、冷たさ、力と変形といった感覚を遊びを通して覚えていく。外遊びでは体も動かせるし、本物の自然(世界)に触れられる。フィクションよりも現実に触れさせる。

 子どもといるときはスマホをできるだけ休む。夫に話を聞いてもらいたいときに、夫がスマホに熱中していたらどう感じるだろう。

 

シーン別解決のヒントもわかりやすい。

・食べ物で遊んだり、スプーンを投げたりしたとき

・ごはんの前後に「おやつを食べたい」と言ったとき

・せっかく買ったおもちゃで遊ばないとき

・一人遊びしかしないとき

・友だちのおもちゃを取ったり、壊したりしたとき

  →「あなたが悪い」「謝りなさい」はダメ。「~に叱られる」もダメ。

・水道を出しっぱなしにしたり、いつまでも水で遊ぶとき

・手先を使う遊びをさせたいとき

・「やりたい、やりたい」と何でもやりたがるとき

・汚い言葉を使うとき

・左利きを直したいとき

・やたら走り回るとき

  →「走らない!」はダメ。

・散らかしたり、出しっぱなしにしたりするとき

・「ごめんなさい」「おはよう」「ありがとう」がいえないとき

・トイレを嫌がるとき

・歯磨きやお風呂を嫌がるとき

・母親が見えなくなると泣き喚くとき

・イヤイヤ期のとき

・何かをしてあげようとすると怒ったり泣いたりするとき

・母親と同じことをやりたがり、させないと泣くとき

・お店で「買って、買って!」と言うとき

・寝るときにぐずったり泣いたりするとき