きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

視覚心理学が明かす 名画の秘密(三浦佳世)

 視覚の心理学を通して名画の秘密を解いみようとする。同時に、名画を通して視覚、認知の秘密に迫っている。芸術と科学の融合とも言える一冊。名画をこれまでとは異なる実験心理学の立場から魅力の謎を解き明かしている。作品の理解を目指したものではないが、芸術音痴の私でも絵に興味を持てるようになった。新たな知識を得ると見方が広がり、評価の観点も広がる。

 

・脳には曲線を認識する部分は存在しない

フェルメールが左上からの光で穏やかな日常を表現したのはなぜか。

レンブラントが右上からの光で穏やかならざる日常を表現したのはなぜか。

・あいまいなシルエットは男性と判断してしまう

・視線経路(グランス・カーブ)は時代、洋の東西で変わる。

・西洋の肖像画に左向きが多いのはなぜか

・「ツァイガルニク効果」

ゴッホの部屋はもともと台形だった。「エイムズの部屋」

・factとfictionは同じ語源

・cameraは「暗い部屋」の略

・pthotograph:光+描く

・主観的輪郭

・「ダブルイメージ」

・「パレイドリア」とレビー小体型認知症

・「色の恒常性」

・「グレア効果」

・garden=囲む+楽園

・色、奥行き、輪郭はそれぞれが脳の別の領域で処理され、時間にずれがある

・眼球の動きは3回/秒で、ピントがくっきりするのはせいぜい十円玉サイズで、複数の箇所から得られた情報のコラージュになっている。

・「プレディクション」:事後にあたことを受けて、知覚が時間的に遡って変化する。辻褄が合うように脳が話を作り変えている。一貫した記憶を形成するため、整合性を持たせている。

・人はフラクタル次元が1.3~1.5のものを心地よいと感じる。