きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

ペンギンは空を見上げる(八重野統摩)

 英語力も技術も知識も小学生離れのぼっち小学生のハルがロケットを打ち上げ、宇宙から青い地球を撮影しようとする。プロローグから、ハルが何か重い過去を抱えているのがわかるが、それは衝撃的な内容だった。

 良い意味で騙された感じが強い。仲間と力を合わせてロケットを打ち上げることで背伸びをした小学生が心の傷を癒していく、なんてよくある展開かと舐めてかかっていたら裏をかかれた。一人称の主観小説だし、会話のキャッチボールでハルの台詞だけが地の文に収められているのは著者のスタイルなのかと思っていた。ヒトはもともと飛べないわけだし、タイトルのペンギンはそれを表していると思っていた。プロローグでハルが抱えていた問題は一つだと思っていた。