きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

ドロシイ殺し(小林泰三)

 このシリーズは間の抜けたゆるい会話の応酬を楽しめるのがよい。魔法が存在するあちらの世界から見た夢、あるいはアバターの世界としてこちらの地球が存在する。洗練された科学は魔法と見分けがつかないかもしれないが、地球には魔法はない。逆の設定ならよくある話だ。

現実の地球、あるいは宇宙と言ってもよいが、これが誰かの夢であることは否定できない。136億年前に境界条件を定めたシミュレーションを開始しただけかもしれず、外の世界からリセットボタンを押されるかもしれない。繰り返されてきたシミュレーションの一つ、あるいは同時並行のシミュレーションの一つでも有り得る。しかし当たり前だが現実世界は夢でもシミュレーションでもない可能性、つまり現実世界は現実である可能性が否定できないのがつらいところだ。