きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

教室が、ひとりになるまで(浅倉秋成)

たて続けに3人の生徒が自殺した高校で死神のコスプレをした女子に脅され美月は不登校になる。美月の隣に住む友弘には「嘘を見破る能力を授けた」という差出人不明の手紙が届く。誰かのいたずらだと思っていたその手紙の内容が真実だと気づいた友弘が能力を使って3人の自殺の真相を暴こうとする。他に3人の能力者がいてそれぞれ異なる能力を有し、その能力は学校内に限定されること、能力が消滅する条件、能力の引き継ぎについても書かれていた。

 

寝る前に読み始めたら面白くて一気読みしてしまった。よく取り上げられるチート級の異能だが、過去の受取人はそれをみだりに使わなかったということになる。

ある日突然リスクもコストもなしに異能を身に付けたらどうするか。世のため人のため、あるいは自分の欲望のために使うのもありだろう。発覚すればタダでは済まないというリスクはあるし、異能を使わずにいざというときのために切り札として温めておくのもありだろう。ノブレス・オブリージュとして、力を持ちながら使わないのは怠慢という考えもある。自分だったらどうするか。発覚しないのなら使うのだろう。何のために。それは異能次第かもしれない。