きまぶろ

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皮膚はすごい 生き物たちの驚くべき進化(傳田光洋)

防御、交換、センサー、水分保持、コミュニケーションなど皮膚は多くの役割を担っている。様々な生物の皮膚の役割に触れつつ、最後にヒトがここまで進化したのには皮膚が敢えて体毛を捨て世界を知る装置へと進化し、脳との相互作用で新しい世界へ踏み出すことを後押ししてきたことを強調する。

ネアンデルタール人やデニソワ人は現生人類と同様に皮膚が進化し、数万年前には現生人類と交配したがいずれも滅んでしまった。ネアンデルタール人には発達障害の一つであるASD自閉症スペクトラム症候群)に関連する遺伝子がなかったことも一因と考えられる。ASDの人のような「変わり者」は他人に付和雷同せず、新しい世界の仕組みを考え、イノヴェーションを起こしやすいと考えられる。自然を探求し、衣食を顧みずに研究、芸術、想像に没頭できる特徴がある。さらに、多様性を許容できる社会があったからこそヒトが生き残ってきた。