蝶の羽ばたき、その先へ(森埜こみち)
始業式の朝に突発性難聴にかかり、左耳の聴力を失った結は、唯一の家族である母にそれを伝えられるまで一か月かかった。むろん、クラスメートに打ち明けるのは難しく、無難に日々を過ごすことにだけ気を取られていたが、手話との出会いで希望が生まれる。
涼介の対応がすばらしいし、お母さんの距離感が最高。おかげで結がこじらせたりせず、自分のペースで自分と気合えたのだろう。
耳が聞こえなくなったことで気づくこともある、耳が聞こえなくなったことで出会えた人がいる。そういうものを大切にしてほしい。