きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

九度目の十八歳を迎えた君と(浅倉秋成)

「彼女は年齢を患っているのだ」

高校の頃に心を寄せラブレターも書いたが返事をもらうこともかなわなかった。アラサーとなった主人公が通勤時の駅のホームでその子が昔のまま高校に通う姿を見かける。いったい何が起きているのか、なぜ彼女は18歳のままなのか。

大人になりたくないという思春期症候群のひとつ。だが、それだけではない。主人公にまつわる大きな謎もあった。26歳はアラサーなのかと軽くスルーしていたが、伏線のひとつだった。彩雲を使ってもっとわかりやすく夢がかなったことを表現したほうがカタルシスもあったような気もする。