きまぶろ

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あなたの隣の発達障害(本田秀夫)

人口比で15%近くいる発達障害の人がストレスなく生きていきやすい環境は、すべての人にとって快適な環境だ。身近に発達障害の人がいなくても、発達障害について知ることは生きやすい社会について知ることにもなる。

発達障害は生まれ持った特性で気の持ちようで障害がなくなるわけではない。別の種属の生き物と例えるとわかりやすい。ADHDは定値安定、たまにハイパフォーマンス。ASDは融通が利かない。いずれも厳しい対応は二次障害を招いてしまう。アバウトな人が多い環境で育つと二次障害になりにくい。

定型発達の子は友だちどうしで相談するなど、親や先生以外の層Dン相手を見つけながらなんとかやっていくが、発達障害の子は「できないのは自分が悪い」「人に相談すると叱られかねない」と刷り込まれ、自分の能力を超えた課題に直面しても誰にも相談できないことがある。社会に適応するにはある程度の「自律スキル」と」「ソーシャルスキル」を身に付ける必要がある。

「学校は勉強するところ」と大人に言われても、ほとんどの子は友だちに会いに行くついでに勉強もしている程度で、成績が良くなくても学校を楽しめる。勉強しろ、友だちは大切にしろ、みんなと一緒だと楽しめるはず、部活もしっかり、…といわれても一般の子は適当にやり過ごすが、発達障害の子は上手にサボれない。言われたことをやり、周りに合わせるうちに自分が本当にやりたいことがわからなくなってしまう。

仕事とは労働に対する対価をもらうだけであって、常に努力し向上する必要はない。工場はノルマではないし、命を削ってまで仕事をする必要はない。会社側も向上を前提に採用するのではなく、向上した人の給与をアップすればよいだけだ。長所は活かす、だが、短所は克服しないというスタンスでいこう。