きまぶろ

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変体仮名とその覚え方(板倉聖宣)

 この本は、変体仮名を覚えたいと思っている人々だけを対象にして書いたものではありません。変体仮名のことをまるで知らない人々を含めて、日本の国語教育、文字教育に多少とも関心のある人々に広く読んでほしいのです。変体仮名の知識は、そういう人々にとってどんな意味があるかということも、本書を読んでいただければ、理解していただけると思います。そして、そういうことを知ったら、少しは変体仮名を覚えておきたいということにもなるので、変体仮名の覚え方も取り上げ、文字の教育にも言及しています。(はしがきより)

 

 理学博士の著者による変体仮名の解説書である。

 小学1、2年生向けの明治十七年の文部省「讀方入門」がとても参考になる。

 

 ひらがなは女手(おんなで)ともよばれ、一種のおしゃれもじとして幅を広げていった一方で、カタカナは男手(おとこで)とも呼ばれ、実用本位であったため変体仮名が生まれなかった。納得である。