きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

後悔病棟(垣谷美雨)

空気の読めない女医のルミ子は患者や家族の気持ちが分からず、スタッフからも白い目で見られていたが、ある日花壇のなかで見つけた聴診器を使うと、患者の心の中の声が聴こえた。しかも、心の中で過去をやり直せるという効果もあった。死を前にして後悔して…

悪魔とのおしゃべり(さとうみつろう)

正しさなんてただの多数決である。 ヒーローはいつも怒っていて、悪い奴らはいつも笑っている。 人はなぜ苦しむのか。なぜ怒るのか。もともと世界なんてどうしようもない連中の集まりなのに、他人に期待するから、自分に期待するからである。 あなたが手に入…

里山奇談(coco、日高トモキチ、玉川数)

人の暮らす地と神の住む山の境にある里山にすむ不思議な話。動植物、昆虫、怪異など40編。

日経サイエンス 2018年9月 恐竜大進化

・恐竜大進化 恐竜の進化は巨大化、鳥化、多様化の3つが特に大きいが、骨の内部の空洞化、気嚢システムが巨大化、鳥化を促し、現代の鳥へと受け継がれている。 ・神経伝達の常識を覆すニューロン表面波伝播説 ニューロンの電気パルスは副産物で会って、機械…

セピア色の凄惨(小林泰三)

「親友のレイを探してほしい」と探偵事務所を訪れた彼女。このままでは親友が消えてしまう。古ぼけた4枚の写真から始まる4つの連作。 親友の名前からして、何となくあれかなと予想できる。 待つ女:何十年も待つ女性 ものぐさ:怠惰な女性の行きつく先 安…

シルエット(島本理生)

青春は決して明るくない。だからこそ、ごくわずかな綺麗なものとか、しあわせなものをなんとかして探して、乗り切っていくものなのかもしれない。 著者が中高生時代に文芸誌に乗せた作品。

みきわめ検定(椰月美智子)

「枝付き干し葡萄とワイングラス」と同時刊行の短編集で、結婚していない女性を中心に11編の短編・超短編を集めてある。こちらでも一人称が「彼女」となっているものが多い。表紙では超短編を含む短編集とあるが、短編を含む超短編集である。レイモンド・カ…

最初の質問(長田弘・いせひでこ)

「今日、あなたは空を見上げましたか。 空は遠かったですか、近かったですか」 まるで詩のような文だと思ったら詩だった。一つの例外を除き最後の最後まで疑問文が続く。児童書ではあるが、大人にこそ読んでもらいたい。身の回りのものを見つめ言葉にするこ…

明るく死ぬための哲学(中島義道)

二十歳で哲学に出会い、大人が教えてくれたこの世界を言葉で破壊できることを知る。わかったつもりになっている周囲の人に復讐したいと、五十年にわたり死について探求してきた著者が古稀を迎えた胸の内を明かした書。 自分は圧倒的少数者であり、大多数の同…

聖地鉄道めぐり(渋谷申博)

各地の名刹・古社・霊場へ向かう参詣路線、つまり「聖地鉄道」を読み解く本。

大人も楽しい 博物館に行こう

全国の80の博物館を写真中心に紹介。次の旅行のヒントに。 東京国立博物館、遠野市立博物館、JAXA筑波宇宙センター、日本科学未来館、江戸東京博物館、国立極地研究所、神奈川県立生命の星・地球博物館、フォッサマグナミュージアム、山梨県立リニア見学セン…

キリンの運び方、教えます 電車も病院も(岩貞るみこ)

安全に運んで当たり前の仕事。 当たり前のことを当たり前のようにやることは、 とてもむずかしいことだ。 誰かと競争をするのではない。 だれも見ていないけれど、自分にうそをつかずに、 やるべきことをきちんとやる。 当たり前のことをやるとは、そういう…

ちひろと歩く信州(安曇野ちひろ美術館)

母親の出身地の松本、両親が暮らしていた松川、アトリエを建てた黒姫などいわさきちひろのゆかりの地が信州には多く、これらの地で多くの作品が生み出された。ちひろの作品とゆかりの地の歩き方を紹介している。ちひろの聖地巡礼とも言える。松本、黒姫は訪…

時空のからくり(山田克哉)

思考実験と少しの数式で時空の概念からアインシュタインの一般相対性理論まで。テンソルのあたりまでで力尽きた。 時空は物質と相互作用し、縮んだり曲がったりする弾性体のようなもで、物体のように扱え、物理学の対象になる。 (1)時空の誕生 ・「場」と…

人の気持ちがわかるリーダーになるための教室(大岸良恵)

情のあるリーダーになるための方法を紹介。14回の講座で毎回課題図書があり、課題が出される。筆者自身の答えも「ヒント」として書かれている。 第1回 藪の中(芥川龍之介) 第2回 夜と霧(V.E.フランクル) 第3回 愛するということ(フロム) 第4回 プ…

少女(湊かなえ)

自殺を考えたことがある少女の親友は、身近な人の死を見たがる少女。死とはいったい何なのかを是非とも知りたがる。そこに、親友の自殺を見たという転校生が運命のようにやってくる。 何となくおっさんの冤罪を暴いてちゃんちゃんみたいな結末が読めた気がし…

鏡じかけの夢(秋吉理香子)

磨きながら願い事をすると望みが叶うという鏡についての連作。二人の人間が矛盾する願いをしたらどうなるのか。また、代償はないのだろうか。5つの物語で、それぞれ2人ずつが願いを込める。すんなり叶えられるはずもなく、思いがけない悲惨な状態で叶うも…

さやかちゃん(くすのきしげのり・こばようこ)

小2のしゅうとは、徳島からの転校生のさやかちゃんに一目ぼれ。さやかちゃんを前にするとまごまごして思うようにしゃべれない。ちょっとしたことから、さやかちゃんを泣かせてしまったりもするが、家族に相談しさやかちゃんに手紙を書くことにする。しゅう…

子どもの脳を傷つける親たち(友田明美)

子どもの脳には敏感期があり、胎児期、乳幼児期、思春期にに強いストレスにさらされると生き延びるための防衛反応が起き、脳が物理的に変化し、脳機能にも影響を与える。従来は虐待という言葉が使われてきたが本書では「子どもに対する不適切な関わり」とい…

十年交差点(中田永一、白河三兎、岡崎琢磨、原田ひ香、畠中恵)

「十年」をテーマにしたアンソロジー。yomyomの2016春、夏、冬号に初出したものをまとめた文庫。それぞれの作家らしさが出ている。原田ひ香の作品を読んだのはこれが初めて。 地球に磔にされた男: 時間跳躍は10年前にいったん飛び、間を開けずに再び10年後…

アジサイはなぜ葉にアルミ毒をためるのか(渡辺一夫)

樹木の生き方を通して自然についての理解を深めていくことは、お驚きや楽しさを与えてくれるだけでなく、私たちが励まされたり、教えられることもある。はるか太古の時代から生き抜いてきた樹木のドラマを知ることは、私たちの心をきっと豊かにする。 「イタ…

話し下手のための雑談力(沢渡あまね)

雑談は仕掛け8割、スキル2割 このうち本書では雑談をしやすい環境を作り、スキルが低くても雑談をできる職場を作る方法を実例を交えて紹介している。手軽に試せることもあるので、実際に取り組んでみたい。 また、話しかけにくい人の特徴として、常に忙し…

枝付き干し葡萄とワイングラス(椰月美智子)

短編集 結婚した女性の目から見た日常で、特にドラマがあるわけでもない。主人公を「彼女」と呼び、三人称の客観的な視点からの描写している。 城址公園にて:切り出された離婚話を保留し、親戚の子らと向かった公園。 風邪:夫がスノボ休暇で不在のときに、…