きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

芥川龍之介 幻想ミステリ傑作集 魔術(長山靖生編)

芥川龍之介の作品のうち、ちょっと怖い話、不思議な短編を集めたもの。前半では「開化の殺人」「疑惑」、後半では「猿蟹合戦」「桃太郎」が特に面白かった。しばらく間をあけてまた読み返してみたい。

終末少女(古野まほろ)

まさかの展開だった。道具を自在に顕現させる能力をもつということで、ゲーム内あるいはVR世界での出来事だと決めつけていた。後半で登場人物たちが天使の化身であると明かされる。天使を喰らう敵は元天使で、堕天使とも言える。堕天使は天使の能力を持つだ…

たった1秒で仕事が片付くExcel自動化の教科書(吉田拳)

実務を効率化するExcelとはどういうものか。すごい業務改善コンサルタントの著者が実例を挙げてあるべき姿を解説。自分の仕事の価値を高め、仲間の仕事の価値を高める。ひいてはGDPを高め日本の国益にもなる。

彼女たちがやったこと(唯野未歩子)

眉を顰めたくなる托卵は日本では5%~10%もいるという。 親友のために托卵を決意し実行する。その過程で2人の女性は自分の生き方を見直すことになる。それぞれの夫も自分らしさを取り戻す。ラストは悲しい別れを予見させるが、生まれた子が生みの親と会った…

こども君主論(齊藤孝)

子どもにも読んでほしいマキャベリの君主論。覚悟、仲間、努力、運命の4つの章で心構えや標語の形にまとめている。 マキャベリはルネッサンス期のフィレンツェの人で、メディチ家がらみで職を失い、君主論は再就職のための自己PR書としての性格がある。

もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら(神田桂一)

空いた時間で気楽に読めて、思わず笑ってしまう。「はじめに」から「解説」まで、徹底している。文豪の文体ではなく、有名作品のパロディのようなもの。漫画を混ぜたのはもったいない。

ドロシイ殺し(小林泰三)

このシリーズは間の抜けたゆるい会話の応酬を楽しめるのがよい。魔法が存在するあちらの世界から見た夢、あるいはアバターの世界としてこちらの地球が存在する。洗練された科学は魔法と見分けがつかないかもしれないが、地球には魔法はない。逆の設定ならよ…

答えのない世界に立ち向かう哲学講座(岡本裕一朗)

トロッコ問題、生贄の儀式、食人部族、トランスヒューマン、売春など答えのない問題をどう考えていくか。答えがないからといって考えないのではなく、考えることで見えてくることがある。回答者の置かれた状況や立場、社会的条件に寄って、時代によっても答…

コンビニなしでは生きられない(秋保水菓)

コンビニを舞台にした日常系謎解きミステリー連作という体裁で進む。最初の謎はコンビニ強盗。日常系じゃないのかもしれない。だが、第二章からしばらくは日常系ミステリーが続く。そして、コンビニバイトの高校生が過去に自殺した事件へと繋がり、どんでん…

怪異古生物学(土屋健)

ユニコーン、グリフォン、キュプロクス、ドラゴン、鵺、天狗など伝説上の生物たちがどのように生まれたか、化石などをもとにした古生物学的にアプローチする。 キュプロクスについては知っていたが、他の伝説上の生き物もなるほどと思わせるものもある。

中村桂子コレクション いのち愛づる生命誌Ⅴ あそぶ

命とは何か、生きているとは何か、12歳の子ども向けに生命科学の道を歩んできた著者がわかりやすく解き明かし、考えさせてくれる。生命の機械論から離れ、つながりと歴史を見直そうとする。

千葉の鉄道 ぶらり途中下車(山下ルミコ)

全頁に写真付きで、千葉県内のJR・私鉄全路線の見どころを紹介している。さて、いくつ訪れることができるか楽しみである。

だめなら逃げてみる(小池一夫)

人生との向き合い方の225のヒント。わかりやすい言葉でシンプルに書かれている。心も体も少し休めて、別の見方ができると世界は違って見えてくる。逃げろ逃げろと225回繰り返しているわけではない。225の中から響く言葉だけ読み取るだけでもよい。

日経サイエンス2019年3月号 太陽 5年で世界を変える10の科学技術

・意志を生む脳回路 エイリアンハンド症候群、無動性無言症などの研究から、ヒトの自由意志をもたらす要素の一つである「運動の意図と行為主体性」は、楔形部と前帯状皮質を中心としたネットワークに関連があることがわかった。自由意志を司る脳部位とその働…

大人のための世界の童話

グリム、アンデルセンほかヨーロッパ各国の民話からの抜粋。王子と美しい姫候補と障害と魔女と変身がこれでもかと繰り返される。穏やかな版を集めているので飽きやすい。せっかく大人向けなのだから、際どい版を集めたほうが面白いのに。

一週間のしごと(永嶋恵美)

何でも拾ってくるお節介な幼馴染があろうことか子どもを拾ってくる。日常系の連作ミステリーを思わせるが、大量殺人、拉致監禁、暴行と中高生の手には負えない状況になる。大人不在で事件を解決する必要に迫られる。 命の危険が迫っているのに、学校や社会の…

十二人の死にたい子供たち(冲方丁)

12人の自殺志願者、セキュリティの生きている廃病院、充分な量の薬物と好条件が揃っているのに死体は一つだけ。デスゲームか「そして誰もいなくなった」を期待していたのだが、10:2の評決で例の陪審員モノが頭をよぎり以降は読み飛ばした。12人のデスゲーム…

トコトンやさしい道路の本(峯岸邦夫)

道路とは、道路の歴史、設計、舗装の種類、管理、道路事業などについて。 舗装の種類と、ワトキンスレポートが興味深かった。

休むことも生きること(丸岡いずみ)

日本テレビにキャスターとして在職中にうつ病に罹り離職、闘病後に完解するまでの経験を踏まえ、うつフラグを挙げている。

女の子の学力を大きく伸ばす育て方(江藤真規)

娘二人も東大を卒業し、自身も東大卒で教育コーチングオフィス「最多コーディネーション」代表の著者が、女の子の学力を伸ばすポイントについて解説。褒める、考えさせる、可能性を広げるだけではない。女の子だからこそ陥りがちな落とし穴もある。現状をい…

パラレルワールド(小林泰三)

集中豪雨と大地震のダブルパンチでダムが決壊し下流の町を襲う。5歳の裕彦は何とか生き延びたが、世界が2つに分裂し、一方では父を失い他方では母を失ってしまった。双方の世界を認知できるのは裕彦だけではなく、その能力を利用して悪事を行うものが現れ、…

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

高校生の咲太は空気を読むことはできるが、敢えて空気は読まない。いじめが原因で妹が不登校になるとスマホを海に捨てて空気を読まない生活を始めた。咲太は思ったことはストレートに言い、相手にもそれが咲太の本心からの言葉であると伝わる。そして必要と…

わたしが少女型ロボットだったころ(石川宏千花)

中3の多鶴(たづる)はある日の朝、自分がロボットであることを思い出し、以降は食事を摂らなくなる。ロボットは食事をしないのが当然だから。しかしあっという間に体重が10kgも落ちて、外出すると人の視線を集めてしまう。 多鶴が本当にロボットなのか、は…

パパのための娘トリセツ(小野寺敦子)

発達心理学のアプローチから、成長時期ごとの子育てのポイントを解説。 発達心理学の調査によると、成人した娘の選ぶパートナーは良くも悪くも父親がモデルになり、しかも父親とにた夫を選んだ娘の結婚生活の満足度は高い。娘は育てられながら、自分の父親が…

海と陸をつなぐ進化論(須藤斎)

生物と地球環境から成り立つ生態系そのもが総体として進化を続けてきた。植物プランクトンの一つである珪藻類の繁栄が他の生物に与えた影響を中心に論じる。 陸上植物の光合成とほぼ同量の光合成を海生の植物プランクトンも行っている。プランクトンの休眠と…

怪盗インビジブル(行成薫)

北中の七不思議の一つの怪盗インビジブルは、その人にとって一番大切な物を盗み、犯行声明に猫の絵の黄色の付箋紙を置いていく。 盗まれる人は何かしらの悩みを抱えている。被害者は大切な物を盗まれることで、心の中にあるもっと大切なものに気づいていく。

春から夏、やがて冬(歌野晶午)

出世街道を進んでいた平田誠は一人娘は17歳の時にひき逃げで失い、時効直後に妻が自殺する。東京を離れスーパーの保安係へと部署を変え一人で暮らすが捕まえた万引き犯が娘と同じ年の生まれと知ることで事態が変化していく。 表面的には末永ますみが殺され平…

ハンカチさがし(森山京・岡田千晶)

母と訪れた高原の別荘で白いハンカチをさがしているうちにユリは動物の村にたどりつく。ユリの身近なおもちゃを身に付けている動物たちもいる。動物たちは引っ越しを前に最後の話し合いをしている様子だった。記念撮影をしおもちゃの列車で動物たちはいなく…

きょうから飛べるよ(小手鞠るい・たかすかずみ)

小4になる春休みに入院したさくらは、病状が悪化し学校に戻るどころか歩くのもおぼつかなくなる。そんなある日、窓から見下ろす病院の庭の木に小鳥の巣を発見する。巣の中にいる4羽の雛は順調に育ちついには飛び立つ様子を見たさくらにも翼が生える。 翼と…

私は脳に操られているのか(エリエザー・スタンバーグ)

原題はMy brain made me do it. 人間は自由意志に基づいて行動しているのか、あるいは脳内の決定論的システム(アルゴリズム)で動かされているのか。脳神経生理学のさまざまな研究結果を踏まえ、人の意思と行動の関係に迫る。 AIの認知や行動決定にもつなが…