2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「数学ガールの秘密ノート」シリーズの最新刊。秘密ノートシリーズは高校数学について、無印シリーズはその先について。 最新刊と言うことで読んでみたが、既刊を読んでいなくても楽しめた。こんな授業をする教師がいたら数学が苦手になる子も少ないだろうに…
小説投稿サイトからのピックアップシリーズ。癒されるかどうかは置いて、「日々、ご飯」がリズミカルで良かった。「to beサンタクロース」も「飛べ」と読めるし、「静かで優しい夜のこと」もほっこりした。
高校生と吸血鬼の日常系アニメ。抱えた闇もドラマもなく、ストーリーを追わずに気楽に見られる。4話くらいまでは飽きやすいが、そこを超えると徐々に面白くなる。最終回に至っては日常系なのに泣けるシーンもある。異種族が互いを尊重しつつ共存していける…
人はいかにして「老い」や「死」と向き合うのか。 様々な人々の生き方や言葉から学ぶべきヒントを提供する。 生活の一コマ一コマが自己決定の連続で、その流れが生であり、行きつく先が死である。死は生の延長線上にある。 話の分かる人を友や伴侶としたり、…
立食パーティで小説家の千紘が編集者の柴田の手をフォークで突き刺す。柴田に翻弄され支配され続けたことが原因だった。千紘は仕事を離れ祖父の残した鎌倉の古民家に越し、一人で祖父の蔵書を裁断し自炊する生活を始める。鎌倉でいろいろな男を知り、足元が…
密室状態の体育館の舞台には緞帳が下ろされ、その裏で男子生徒が刺殺されていた。警察はあてにならない。学校に住み着いているアニメオタクは最初は渋っていたものの、解決に乗り出す。正義感でも好奇心でもなく、報酬の15万円でアニメグッズを買うために。 …
嫉妬や劣等感が起きる仕組みをわかるだけでも心が晴れる。それだけでなく切り替える方法を知るとさらによい。周囲の人も嫉妬に満ち溢れているものだ。周りが敵に思え、世界が歪んで見えて破壊的気持になっていた自分から嫉妬感を消し、新たに自分の世界を構…
小説投稿サイトに投稿された作品から選び抜いた「5分後シリーズ」の一つ。 プロ作家のアンソロジーではないし、玉石混交だが、意外と楽しめる。 「わがままおうさまのしょくたく」「アイの黒」「死に至る病」「始まりと終わりのきっかけ」が面白かった。
視覚の心理学を通して名画の秘密を解いみようとする。同時に、名画を通して視覚、認知の秘密に迫っている。芸術と科学の融合とも言える一冊。名画をこれまでとは異なる実験心理学の立場から魅力の謎を解き明かしている。作品の理解を目指したものではないが…
「できるだけのことを、できるときにやってあげるだけでいい。できないことをやらないのは、悪くもないし間違ってもいない。自分を責めたり罪悪感に押しつぶされるのは、全く無意味だと思います。」 19年前に通り魔から逃げ、道路に飛び出したときに車に轢か…
欧米の小咄の翻案や有名作家の掌編33を集めたもの。角ゴシックだったり、アラビア数字を使っていたりに最初は慣れなかった。 「見送る背中」「消したい記憶」「ブランコ」「神様の特権」「おじいさんの花束」「1枚の肖像画」が特に良かった。
・挑む アンモニア合成で100年以上も不動の地位にあるハーバー・ボッシュ法に代わり、環境負荷の小さい合成法を探す原亨和は触媒を使った画期的な方法を模索している。科学技術の目的には真理探究、生活向上、生き残りの3つがあるが、原は生き残りのための…
誰かに捨てられ、記憶をなくした人が集まる階段島。階段島にいる人々は一癖も二癖もあるが、皆何かを諦めたように暮らしていた。魔女が支配するこの階段島からもとの世界に戻るには本人が失ったものを見つける必要がある。階段島の人々は前の世界でのつなが…
副題 こどものために「しなくていいこと」こんなにあった! 現場の保育士の目線から、不安を抱えるママに贈る本。写真で紹介されている遊びも参考になる。 「いい親にならなきゃ」という考えは時には自分と子どもを追い詰めてしまう。手を抜いても大丈夫。大…
ホラー・アンソロジー とわの家の女、自分霊、高速怪談が特に面白かった ・あまりりす(恩田陸) ・妄言(芦沢央):妄言は予知 ・破落戸の話(海猫沢めろん):「ごろつき」とは読めなかった ・とわの家の女(織守きょうや):芸者と身体を重ねると死ぬ ・…
「好きな人がそこにいて、好きだと伝えることができる、この状況がすでに奇跡的」 オカルト研に所属する大学生の主人公と吸血種少女のラブコメサスペンス。死人は出ているがそれほどの緊張感はない。連続殺人犯の正体は意外だった。友情よりも犯人逮捕よりも…
自分が深く悩んでいるとき、他の人は幸せで気楽に生きているように見えがちだが、実はほとんどの人が何かしら悩んでいる。「あの人も悩んでいるんだ」と知ることは、視野を広げ心を楽にするし、一見自分の悩みとは関係なく思えるものでも、自分のヒントにな…
「私のこと好きにならないでね」 恋という言葉の意味はわかっているが、好きな男子から告白されても何も感じなかった高1の侑は誰も好きにならないと思っていた。何事もそつなく完璧にこなす自分を演じていた生徒会の七海は誰からも特別扱いされていたが、誰…
2.52億年前のペルム紀末の大量絶滅に新説 岩石中に残るパターンが指数関数的で生物由来であることを示唆していた。噴火で大量に堆積したニッケルがカギとなり、メタノサルシナ属の古細菌がメタンを大量に生成した可能性がある。 超記憶 細部まで詳細に覚えて…
小学校高学年から大学生を対象としているが大人が読んでも楽しめる。昭和後半に発表された時間をからめたSF短編6つ。 御先祖様万歳(小松左京):山の洞窟が100年前と繋がったら。 時越半四郎(筒井康隆):時間と空間を跳躍して生まれた子 人の心はタイムマ…
色について考えることはあっても、暮らしを豊かにするために色を積極的に利用するという人はまだ多くない。色や光は人の心、身体に大きな影響を与えている。本書は学術的な研究で明らかになっているデータをもとに、光や色の効果について基礎的なしくみから…
「私にしか、彼を救えないから」 臨床心理士として美帆が初めてカウンセリングを担当した藤木青年は同じ施設で自殺したとされる少女が実は他殺だったと訴えてきた。精神を病み若くしてこの世を去った弟と藤木を重ね、美帆は施設で起きた忌まわしい事件に迫ろ…
「創造の基本は破壊だ」 ぼっち生活を送る大学生たちのお話。ぼっち上級者とは言えないが作者の語り口が相変わらず面白い。タイトルのぼっちーズは「墓地s」か。
4つの短編集 さすが芥川賞作家という思い、それにしては面白いと感じる。 彼女と彼女の記憶について:「記憶の箱」が届けられる シャンデリア:使い切れないほどの大金を手にして マリーの愛の証明:見えなくても見えてもあるものはある。 ウィステリアと三…
舞台は長崎。色をテーマに美しく魅せてくるアニメ。 魔法使いの家系に生まれたが魔法を上手に使えず、さらに瞳美は世界がモノクロにしか映らない。瞳美は半ば強引に60年前の世界に送られ、そこには瞳美と同い年の祖母がいた。大切なのは勇気を持って気持ちを…
「選べなかった道の方が光輝いて見える。どうしても」 二十代から三十代の迷い悩む女性の九つの短編集。語られている女性たちが落ち着き冷めているせいか、起伏が小さく落ち着いている。平易な表現で語られ、構えて読む必要もなく力を抜いて読める。転機を迎…
「人が人を殺める理由は煎じ詰めれば三つ。愛憎、カネ、狂気だ」 口にフックをかけられマンションの13階かた吊るされた全裸の女性死体にはひらがなだけの稚拙な文字で犯行声明文も残されていた。間を置かずに第二、第三の猟奇殺人がつづく。 二重、三重にめ…
発達が気になる子を伸ばすカギは親子のコミュニケーションにある。コミュニケーションを変えるだけで子育てがラクになる。お母さんは頑張る必要はない。いつもの言葉を少し変えるだけで良い方向に動き出す。 子どもが失敗をする→お母さんが怒る→子供が犯行を…
七人の外国人の紀行文を取り上げ、比較的中立に失われた日本文化を眺める。中立な立場から冷静かつ断固たる言葉も多く、著者の鋭い分析が光る。
「うまくなりたいなら手段なんか選んでるんじゃねえよ」 海のある町から奈良へ転居してからは居場所もなくぼっちになってしまった高校生の香月は、隣の立海くんのノートにスイーツレシピが連ねてあるのを見てしまう。彼は夜だけ開く喫茶店で働いていた。不器…