きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしの忘れ物(乾ルカ)

恵麻が2か月の短期バイトを始めた北海道のショッピングセンターの忘れ物センターは、自分など役立たずで必要とされているようには見えないが、2名だけの職員が温かく迎え入れてくれた。恵麻は忘れ物センター働くうちに、ガラクタのようにも見える忘れ物の…

リスク、不確実性、そして想定外(植村修一)

企業でも家庭でも個人でもリスク管理が必要である。バラエティに富んだ事例を交え、リスクとは何か、管理するにはどうすべきかを解き明かしている。本能寺の変、関ヶ原の戦い、ナポレオンの百日天下など東西の歴史のターニングポイントとなった出来事をリス…

もうちょっともうちょっと(きむらゆういち)

お腹のすいた子豚が林檎を見つけると、転がった林檎が穴に入ってしまった。 きちんとオチがあって、林檎も食べられて良かった! キリン、カモシカ、ワニ、ウサギは何もしていないのにゾウを追うとは。林檎を食べないネコ科の動物はいなかったが、他の動物た…

科学の最前線を歩く(東京大学教養学部編)

今必要な知とは何か。20名余りの最先端の研究者がこれからの世代へ語る。知のフィールドガイドのうち、理系向けの1冊。 世にあふれる膨大な情報、知識の中から、そのつど適切なものを選び出し、それらを有機的に関連させるためには、過去の学問的な蓄積の全…

たからさがし(なかがわりえこ と おおむらゆりこ)

宝物も独り占めするより、誰かに喜ばれたほうがいいだろう。じろう君とウサギは仲が良すぎ。ぼうはある意味「魔法の棒」だった。 作者の中川さんと大村さんは実の姉妹であるのを始めて知った。

松本・梓川殺人事件(梓林太郎)

4歳の男児を残し、松本駅前から母娘が誘拐された。誘拐された少女の衣服、人間の皮膚の一部が次々に警察署に届くが、身代金要求はない。そんな中で、上高地の梓川に男性の遺体が発見される。捜査を続けるうちに、去年、一昨年と誘拐事件があったこともわか…

SHAPESシンプルなカタチから広がるデザイン

原題:GEOMETRIC FORMS IN GRAPHIC DESIGN シンプルな形を使ったデザインの実例。序文以外は英語のまま。いろいろな使い方があり、デザインのアイディアのもとにできそう。デザインの書籍なので仕方ないが、かさばるし重量もある。

日経サイエンス 2018年6月号 新粒子出現か

・オプトジェネティックス 光合成をする微生物で細胞膜のゲートの役割をするたんぱく質にオプシンがある。オプシンは特定の波長の光に反応して開閉する。このオプシンを生きた枡の神経細胞に導入し、特定の神経細胞の活動とマウスの行動との関連を観察。 以…

まいにち哲学(原田まりる)

まいにち一つ、365の哲学のことば。著名な哲学者の言葉を引用し、著者が解説をつけ、わかりやすい箴言で言い換えている。一家に一冊置いておきたい本。

ついいてくるもの(三津田信三)

「の如きもの」1編を含む7編のホラー短編集。伝聞だったり、伝聞の伝聞だったりした怪異譚の収集好きな作家が語るという形式。作中作の一種と言える。不安を掻き立てる語り口が著者らしくて味わいがある。 収録作品 夢の家 ついてくるもの ルームシェアの…

卵を買いに(小川糸)

本屋大賞4位にも入ったことがある人気作家の人気日記エッセイ。小川さんの作品を読むのはこれが初めてだが、文字通り日記だった。 理想ではないと知りながら次善の手として選ぶしかない場合もある。他の選択死が問題外だらかだ。その次善の手をどのようにし…

猫はこうして地球を征服した(アビゲイル・タッカー)

原題:The Lion in the Living Room How House Cats Tamed Us and Took Over the World ヒトとネコ科の動物は生息地がかぶり、餌を奪い合うライバルだったがライオンなどの大型のネコ科動物は数を大幅に減らし、代わってヤマネコの亜種であるリビアヤマネコ(…

明日はいずこの空の下(上橋菜穂子)

アボリジニの研究者でもあり、作家でもある著者の21の小エッセイ。スコットランドでのでき事、オーストラリアでの生活での気づきを豊かな表現で綴っている。それぞの最後の挿絵も雰囲気が出ている。体験を綴った日記ではなく、それぞれにメッセージが込めら…

山女日記(湊かなえ)

山登りと女性の7つの連作。登場人物がすこしずつ重なっている。山は思いを巡らし、心を決める時間が作れる場所。一人であっても、共有できるだれかと一緒でも。 結婚を控えた時期に、仕事をやめ実家に戻ることを切り出されたデパート店員。緑のトンボ玉の占…

植物 奇跡の化学工場(黒栁正典)

植物は生命維持のための代謝としての一次代謝だけではなく、生命維持には直接かかわらない代謝である二次代謝もしている。二次代謝は植物以外にはほとんど見られない。植物はなぜここまで多様な有機物を代謝するのか。具体的な化学物質を取り上げ、構造式や…

東京都神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる(兵頭二十八)

「来たらざると恃むことなく」、軍学者である著者が核兵器について正しい知識と、核兵器を使う側の心理について述べている。日本に対する脅威として中国と北朝鮮を中心に扱っている。核兵器の数は限られており、必中でもなければ、使用前に敵対勢力により無…

そらいろのたね(中川李枝子、大村百合子)

独り占めをすると宝物を失うという戒めがいちばんに読み取れる。 家が崩れる前にみんなを避難させたきつね、よくやった!短い間でも、子どもたちや動物たちに楽しい時間を与えられたときつねが思えると良い。

「ありがとう」といって死のう(髙木慶子)

ターミナルケア、グリーフケアに携わる著者が死への向き合い方について語る本。 自分の人生を肯定的に受け止め、せわになった人たちに感謝し、迷惑をかけた人たtには謝罪する。そうることで安心してこの世とお別れすることができる。どんな苦しみや悲しみに…

婚活中毒(秋吉理香子)

婚活をめぐる4本の短編集。気取らずに読みやすい文章で書かれている。それぞれの事情で必死なのだが、読んでいて微笑ましくもあり、怖くもあり。ミステリー作家らしくオチもしっかりと用意されているし、読後感も爽やか。 「リケジョの婚活」だけはアンソロ…

深く考える力(田坂広志)

深く考え、ひらめきを得る力はどこにあるか。経験豊富な筆者からのメッセージ。 「深く考える」とは、長い時間をかけて一生懸命に頭を絞ることではなく、自分の中にいる「賢明なもう一人の自分」と対話をすることである。「賢明なもう一人の自分」は論理思考…

迷い家(山吹静吽)

太平洋戦争の末期の疎開先で、行方不明の妹を探しに山に入った軍国少年が迷い家に囚われてしまう。そこはありとあらゆる妖、怪異が棲み、古今の霊宝までも手に入る化物屋敷だった。少年が化け物屋敷に迷い込んだのは必然だったのだろうか。一度は迷い家から…

贖罪(湊かなえ)

15年前に空気のきれいな田舎町で女児が殺害された事件は迷宮入りをしてしまう。直前まで女児と一緒に遊んでいた4人の女の子たちは犯人逮捕に繋がる証言をすることができずに、それぞれが罪の意識を持ち成人する。事件の時効を控えた時期に、4人は相次いで…

真実への盗聴(朱野帰子)

とある手術で聴覚が手に余るほど発達してしまい、小春は生きづらさを感じていた。家族にも理解されず、就職した会社では人を追い詰めるために能力を使うことを強要される。ときにパワーをもつ老年世代と希望のない若年世代の対立が生まれた時代。さらに老年…