きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ユニバーサルデザインがわかる本(柏原士郎)

文房具から公共施設、情報に至るまでユニバーサルデザインが取り入れられているものを紹介してある。身近にあって、普段は気にかけていないものも多かった。混同して使いがちなユニバーサルデザインとバリアフリーの違いもわかりやすい。障害を取り除くので…

鉄道写真が語る昭和(「旅と鉄道」編集部)

貴重な写真も含め、昭和の鉄道風景を年代順に紹介し現在と比較解説してある本。4ページごとの構成し、まず見開きにインパクトのある印象的な写真があり、ページをめくると写真の解説と現在の様子が書かれている。ページをめくり写真を見ると、続く解説も読…

人生の「質」を上げる 孤独をたのしむ力(午堂登紀雄)

孤独を感じる人もそうでない人も、男性も女性も、大人も子供も読んでほしい本である。 孤独をみじめと感じるのは固定観念から抜けられていないから。社会の中で他人とかかわり合いながらも、常に自分の意志を主軸に置いて、自己責任で生きようとする「孤独力…

面白くて眠れなくなる宗教学(中村圭志)

「宗教は信じるもの。宗教学はその宗教を観察し、比較するもの」 宗教学者である著者が宗教学の基礎についてかいつまんで、時にはストレートな表現で分りやすく解説してある本。一つの宗教を深く知るのも面白いが、宗教学のように比較をしていくと新たな発見…

名前のない怪物 蜘蛛と少女と猟奇殺人(黒木京也)

グロテスクに味付けされたボーイミーツモンスターなサスペンス。入間人間の作品を思い出す。雰囲気が良い。第5回ネット小説大賞メディア賞。

虚像のアラベスク(深水黎一郎)

日本を代表するバレエ団で起きた2つの事件についてのミステリー。フランス語のバレエ用語の解説がしつこいくらいに繰り出される。1つ目の事件は前菜のようなもので、動機もありがちな気もするが、2つめの事件が面白い。天然でとぼけたようなダンサーの語りで…

ミナトホテルの裏庭には(寺地はるな)

「時間が過ぎていくのが遅いと感じるのと、はやいと感じるのと、どちらが良いかと言われれば悩むところである」 大正時代に建てられたミナトホテルはいちど本来の役目を終えたのち、さまざまな事情を持つ人たちの緊急避難ホテルとして営業を再開した。派手に…

スコーレNo.4(宮下奈都)

自由奔放に生きる妹の七葉に比べ、自分は何のとりえもないと思い込んでいる麻子。4つのスコーレを通して、家族・恋・仕事・自分とようやく向き合えるようになり、自分を肯定できるようになる。 美しい描写が絵画のようである。本当の気持ちもわからず、いつ…

夜ふかしするほど面白い月の話(寺薗淳也)

明るく夜空を照らす月は、肉眼ではっきり見える唯一の天体であり、ただ一つ人間が端を踏み入れたことがある天体でもある。いつもそばにいるなじみ深い天体としての月と、人類が訪れたという科学技術の側面としての月という2つの顔がある。 惑星科学のの専門…

となりの火星人(工藤純子)

「自分を好きになれるのなら、地球人でも火星人でも、どちらでもいいんだよ」 火星大接近の年。空気を読めずにいつも独りのかえで、ちょっとしたことですぐにキレる和樹、不安になると叫んでしまう美咲、見えない壁を作ってしまう湊、中学受験に失敗しヤケに…

2018年 春アニメ

今期は「ひそねとまそたん」、「ヒナまつり」、「踏切時間」がいい感じ。見ていて飽きない、これ大事。

日経サイエンス 2018年4月号 量子コンピュータ

今号で気になった記事は3本。 ・量子コンピューター最前線 2018年中にはIBM、Googleが50量子ビット級のチップ計画。数年以内には50~100量子ビットのマシンの予定。これにより、現在のコンピュータ能力を超えると思われる。 量子コンピュータの最大の弱点は…

断層の森で見る夢は(藤本ひとみ)

星を見せようと赤石山脈に友人を誘うが、反社会的集団にその友人が拉致され行方不明になる。けしの違法栽培、森林組合の不正、ヘリの墜落事故と、序盤から話が大きく動く。 シリーズ物だが、他の本を読んでいなくても楽しめる。

私の頭が正常であったなら(山白朝子)

ちょっとホラーな短編集 収録作品: ・世界でいちばん、短い小説:霊は何に憑いたのか ・首なし鶏、夜を行く:人類は衰退しました ・酩酊SF:SさんとFさん ・布団の中の宇宙:インスピレーションの代償は ・子どもを沈める:死んでも呪ってやる! ・トランシ…

やめるときも、すこやかなるときも(窪美澄)

「こんな傷があっても木は成長するんだなあ」 毎年12月になると記念日反応を起こし、声が出なくなる家具職人の壱晴。パンフレット制作会社で営業をしている桜子。壱晴は女性にだらしない一方で、桜子はまだ男性を知らないという点で対照的なふたりが出会って…

ナイス☆エイジ(鴻池留衣)

「ナイス☆エイジ」、「二人組み」の中編2つ。 「ナイス☆エイジ」はタイムトラベル物。自称タイムトラベラーが本物かどうかの判定が難しい以上に、自称タイムトラベラー本人がタイムトラベルに成功しているかどうかの確信が得にくい。シュタインズ・ゲートを…

もう誘拐なんてしない(東川篤哉)

ミステリー要素もある青春コメディ。著者得意のジャンル。気軽に読めるが緊張感がなさすぎる気もする。伏線もきっちり回収され、下関ならではのトリックが使われている。2時間ドラマで映像化もできそう。

人生は単なる空騒ぎ(鈴木敏夫)

「人生は単なる空騒ぎ 意味など何ひとつない」 人は言葉でモノを考える。 言葉で考えを組み立てる。 声に出すと、考えがさらに広がる。 そして、自分の作った言葉に支配される。 言葉はかく面白い。 筆で描いた著者の好きな言葉、キャッチコピーなどを紹介。

モナドの領域(筒井康隆)

平行世界と可能世界を自称「神のような存在」が語る。河川敷で該当人物のいない女性の片腕が発見されたことから事件が始まる。後半では難解な文章も混じるが、理解しなくても構わないとなると、さほど読みにくくは感じない。終盤ではどんでん返しならぬちゃ…

願いながら、祈りながら(乾ルカ)

「『あること』をき転機に、一人なら一人でいいと開き直ることができました。その『あること』は今思い出してもあまり愉快な出来事じゃなかったけれどもし私が高校に受かることができたら、『あること』という経験も、私にとっては必要だったと、大事な宝物…

困ったら分け方を変えてみる。(下地寛也)

分け方を変えるだけで、様々な問題が解決する。家庭内に、ビジネスに、具体例を挙げて解説してある。「分けるを邪魔する5つのバグ」、分けるときの3つのステップ、「ちょうどいい」を作るための3種類の分け方など、ポイントをわかりやすくまとめてある。 …

異常探偵宇宙船(前田司郎)

「この世はふ良品なのよ。不良品のない世界なんて、地獄だわ」 小児性愛の女性グループ連続殺人事件を巡り、宇宙船vs空気ゴキブリvs下着賊のお話。

僕と彼女の左手(辻堂ゆめ)

「いくつもの嘘から解放された彼女は、いつにも増して、キラキラと楽しげな光を放っていた」 私大医学部5年の実習を生理的に拒否し留年が決まり、行き場のなかった習(しゅう)は無為に時間を過ごしていた。大学の医学部棟で見学中に道に迷ったさやかに声を…

ひとり暮らしのシンプル家事(阿部絢子)

年を取るにつれ、以前のようには体は動かない。できなくなったことはあきらめ、完璧は目指さない。できるだけ小分けして、やろうと思ったら3分以内に始める。 このようなコンセプトで家事の負担を減らすポイントを細かく解説してある本。類似の本にありがち…

マンション管理組合理事になったら読む本(貴船美彦)

マンション改修設計コンサルタント協会理事長による本。管理組合理事でなくてもマンションに住む人、マンションを探している人に読んでほしい一冊。 共同体の一員として、自分たちの住むマンションの物件価値、生活価値を上げていきたくなる。もう少し理事会…

天翔る(村山由佳)

「四六時中、理想の自分でいることなんかできやしない」 不登校の女の子が馬のエンデュランス耐久レースを目指す。関わる大人たちも皆、痛みを抱えながら、自分の居場所を探している。 諦めずにもう少し進んでみようと思える作品。先が読めるような伏線が多…

サイレンス(秋吉理香子)

新潟にある過疎の島、雪ノ島。人口はたった300で、若者の流出が続く。そんな島で芸能界を夢見た深雪は島を出て、東京で芸能事務所のマネージャを始めた。そして仕事で知り合った俊亜貴を連れ、両親に紹介しようと島へ戻るが、アクシデントが続き、どうしても…