きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

呪いの塔(横溝正史)

 軽井沢の丘の上に建つ立体迷路「バベルの塔」で仮想殺人劇が行われる。劇中に塔の上で怪奇作家の大江黒潮が本当に殺され、連続殺人へとなっていく。江戸川乱歩の「陰獣」を下敷きに、横溝正史が書いた長編推理。当時横溝は乱歩の作品を発表していた出版社の編集者を務めていた。この作品では、乱歩をモデルとした人物が最初の犠牲者となり、横溝をモデルとした人物が語り手となっている。謎そのものよりも、横溝作品に流れる雰囲気を楽しめた。