きまぶろ

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東京都神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる(兵頭二十八)

 「来たらざると恃むことなく」、軍学者である著者が核兵器について正しい知識と、核兵器を使う側の心理について述べている。日本に対する脅威として中国と北朝鮮を中心に扱っている。核兵器の数は限られており、必中でもなければ、使用前に敵対勢力により無力化されることもある。さらに、核戦争後のことを考えれば、すべての核兵器を撃ち尽くすことはできない。そのため、どれだけ多くの核兵器を保持しようとも、目標は大きく限られる。報復や諸外国からの非難などの「未来の損失」も考慮に入れると、民間人の多い人口密集地を狙うのは得策とは言えない。また、爆発高度により被災地の今後の姿が大きく変わる。

 「核兵器を所持している」と喧伝したがるが、実際に弾頭に載るほど小型化されているのか、精密な誘導はできるのか、品質の保持ができるのかなどが怪しく、実戦では使用できない場合も多い。

 本書では触れていないが、国家以外が核兵器を所持することもありうるとなるとさらにいろいろな可能性が考えられるだろう。