きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

エンディングドレス(蛭田亜紗子)

 最愛の夫に先立たれた麻緒はまだ三十代だが、夫の後を追うことに決め身辺整理を始めた。首吊り用のロープを買った帰りに「終末の洋裁教室」のチラシが目に入る。洋裁教室に通う中で生きようとする気持ちが芽生え始めていく。

 

 生きる力をどのようにして手に入れるかは物語の序盤でうっすらと見えている。あとは自殺を決意するまでの動きを知りたくて読み進めたが、そこまで強い動機には思えなかった。洋裁教室の先生から出される課題がカウンセリングの手順そのものと感じた。以前に読んだ「凛」との差が同じ作家とは思えない大きい。