きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

わたしは不思議の環(ダグラス・ホフスタッター)

 私とは何か、意識とは何か。人に、動物に、機械に魂はあるのか。前著の「ゲーデルエッシャー・バッハ」で伝えられなかったことを改めて伝えようと試みる本。自己言及と意識のアナロジーこれでもかと多彩な例えで示そうとしているように思える。10章ほど読んだが先に進まないので断念。卑近な例を多く取り入れ読みやすい文体だっただけに残念である。私の大学では1年の論理学の試験はゲーデル不完全性定理の証明で、試験には丸暗記で臨んだ。完璧な系は存在しないというのを自己言及し記号をこねくり回して説明しただけでそれ以上でもそれ以下でもないというのを思い出してしまった。ヒトは意識を持つ優れた高等生物であると言いたいのか。ヒトがヒトに共感するのはよくありそうなことだ。だが蚊に共感したり、原子に共感できる人もいるだろうに。人間の雑多な活動なども上位の構造から観れば、統計力学のあつかう分子の1つにしかすぎない。