日経サイエンス2019年2月号 超巨大地震
・科学の森
大自然はすべてが法則の下で動いているのではなく、構造や動きには秩序があり、その規則性に気づいた人間が法則という概念を発見した。法則の信用性はこれまでの成功例をもとにした推測に過ぎない。
・大気中ラドンが示す地下の異変
東日本大震災前の2010年4月ごろから大気中ラドン濃度が上昇し6月から12月にかけては3σを超えていたが、12月に一気に通常値に戻った。ウランは半減期45年でラジウムに、ラジウムは半減期2年でラドンに、ラドンは半減期4日で鉛になる。ラドンは概ね直近10日に地表のラジウムが崩壊したものである。
近くの割れ目生成、微細空隙からのラドン放出、地下水位の上昇など、ラドン濃度が変化する原因は様々だ。基地の環境要因での変動もある。夜は対流が抑えられるため濃度が高くなる。土壌微粒子が気団の影響を受けるため、冬に高くなる。日変動、季節変動も場所に固有である。地中、水中では半減期程度では遠くへ移動できず、測定地点のごく近くの地殻変動を反映しやすい。大気中だと4日で数十km移動する。また環境要因も大きく、濃度がはるかに低いせいもあり、地震との関連研究が始まったのは遅い。
・量子もつれ実証
量子もつれ:系全体の物理量がが厳密に決まっていても、個々の粒子の状態がわからない状態
2015年の実験で量子もつれが実証された。
この手の記事を見るたびに多世界解釈で解決できると思うのだが。
・書評
「感情とはそもそも何なのか」(乾敏郎)が面白そうなので読んでみたい。