きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

わたしが少女型ロボットだったころ(石川宏千花)

 中3の多鶴(たづる)はある日の朝、自分がロボットであることを思い出し、以降は食事を摂らなくなる。ロボットは食事をしないのが当然だから。しかしあっという間に体重が10kgも落ちて、外出すると人の視線を集めてしまう。

 

 多鶴が本当にロボットなのか、はたまたロボットだと思い込んでいるのか、どちらとも判断の付きかねないまま話が進んでいく。仮に多鶴がロボットだったとしても、医師ですら見分けられないほど精巧な造りや機能を持ち、人間と同様の感情や情動を持つならそれはもう人間との違いはどこにあるのだろうか。

 家に居場所もなく二進も三進もいかなくなった多鶴の気持ちに寄り添い、自分のことは省みず時には強引に連れ出すまるちゃんがかっこよすぎる。