きまぶろ

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消したくても消せない 嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法(大嶋信頼)

 嫉妬や劣等感が起きる仕組みをわかるだけでも心が晴れる。それだけでなく切り替える方法を知るとさらによい。周囲の人も嫉妬に満ち溢れているものだ。周りが敵に思え、世界が歪んで見えて破壊的気持になっていた自分から嫉妬感を消し、新たに自分の世界を構築するヒントを与える本。

 

 嫉妬は動物的な「発作」で発生をコントロールすることはできない。自分の食べ物を奪われ、餓死するかもしれないと感じる。他の犬をかわいがっただけで、犬がキャンキャン吠えたり、体当たりしてきたりするのと同じである。注目が奪われると相手を排除して自分に注目を向けようとする発作である。発作が起こると自信を失い破壊的、孤独になり、惨めに感じまた嫉妬するという悪循環に陥る。ついには相手をつぶすことに気を取られ、自分の人生を生きられなくなってしまう。

 相手が自分より年齢、収入、学歴などで格下のはずなのに、自分よりも優れたものを持っている、あるいは賞賛を得ているというのが嫉妬の条件である。親が子に対して、上司が部下に対して嫉妬するというのは良く起こる。人は「優劣の錯覚」があり、根拠もなく「自分は平均よりは上」と思う人が多いのも原因となる。飛びぬけて優れている人には嫉妬しないが、格下の面を見つけるとその瞬間に嫉妬の「発作」が始まる。たとえば、芸能人の不倫を知ると、その芸能人は人格的に自分よりは格下と判断する。でも自分よりは収入が多いはずと思い、これが発作の引き金になる。謙虚な態度や弱みも格下感を漂わせる。

 「これが嫉妬の発作かもしれない」と思うようにすることが発作を止める第一ステップで、発作が起きたらできるだけ何もしない。相手には「発作だからちょっと待って」と告げるだけで良い。他人に相談しても孤独感が強まるし、触れられたくない部分に触れられてしまう。当事者に言っても逆切れされるだけで無駄である。発作がおきたら5年後、10年後、20後の自分をイメージしてみるのもよい。また普段から、口先だけのお世辞をやめるようにすると、「どうせ口だけ」という思いが湧かなくなる。喜ぶ者と共に喜べば、成功した人に影響され、自分も成功していく。嫉妬は脳内のミラーニューロンを介して伝染する。いま感じている嫉妬は、あなたの嫉妬ではないかもしれない。

 真面目で謙虚な人や弱者を演じる人は嫉妬されやすいし、他人の気持ちを考えすぎてストレスになっている人も要注意だ。他人の嫉妬から逃れるには「ああ、この人は嫉妬しているんだ」と思うだけでよい。パワハラ、セクハラも嫉妬が原因のことが多い。「良かれと思って」「あなたのためだから」などと、見方の振りをして近づいてくる人たちも嫉妬の表れである。自分の嫉妬と同様に、他人の嫉妬も放っておくのが基本。過呼吸の発作と同じで触らなければ回復する。絶対に触れてはいけない。もちろん、反省もしないし、対処法も考えない。スルーである。

 

 長い期間、ストレスを与え続けると、その状況から逃れようとする努力をやめてしまうことを「学習性無力感」という。繰り返し受けた親からの叱責、冷たい視線も原因になる。自分の力では逃げられないと思い込み、いつか誰かが私の才能を引き出してくれるはずと、王子様を待ってしまう。自分から積極的に動くことができないのだ。

 尊敬される人は行動が正しいかどうかではなく、好きなことをやっているものだ。他人のことを気にしない人ほどうまくいく。責任感で動くより、好きなことをやる方が高い評価を受ける。