きまぶろ

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ゲーム理論はアート(松島斉)

 社会の仕組みとして仮説モデルを思いつきそれを検証することを繰り返す。仮説モデルの創造性は芸術的行為とも言える。ゲーム理論の用語も多く使われ入門書として適している。「ワンコインで貧困を救う」「全体主義をデザインする」など興味深い。拾い読みではなく初めから腰を据えて読むのがよい。

 

 経済主体の選好preferenceは外から与えられることが前提で外生的だが、社会的関係の在り方に影響されて、内生的に決まる側面もある。人の行動は利害と感情で決まると言われるが、利害=外生的、感情=内生的といったところか。

 

 商品フェチズム、官僚主義的悪用、キュレーション、マックス・ミニ戦略、希少性の制約、繰り返しゲーム、ナッシュ均衡、フォーク定理、負の外部性、アブルー・松島メカニズム、パターナリズム、パテントプール、勝者の呪いシグナリングと統計的差別、情報カスケードなどの用語も繰り返し使われている。