きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

学校がキライな君へ(加藤良雄)

9条の会のメンバーで君が代不起立訴訟の関係者でもあり、シールズとも親交のある作者による本。都の教員を退職後も精力的に活動を続けている。安倍政権打倒にかける意気込みを感じられる。著者を信奉する教え子も多い。 私はいじめ被害者や不登校の児童生徒…

きょうはなんのひ?(瀬田貞二、林明子)

小学生の女の子がお母さんにメモを残した。メモには次のメモの場所が書いてある。家の中、家の外、次々にメモを探すお母さん。仕事先のお父さんのポケットに入ってた最後のメモは、「とうとうゆうびんばこにプレゼントがとどきました おせわさま」と書いてあ…

鵺(三田完)

NHKディレクター、プロデューサーを担当し退職後もテレビ番組、音楽プロデュースに関わる著者による小説。著者本人の経歴を思わせる内容。仕事も女性関係も奔放に生きてきたが、戦争での父の死にもようやく向き合う。 業が深くなければ小説は書けない。女優…

こころの絵本(なかえよしを/上野紀子)

「こころってしってますか? Do you know Cocoro?」 パステル系の淡く優し絵で「こころ」について考えさせられる本。 心はどこまでも広げることができる。 こんなすごい心というものをあなたも持っているのですよ。

河のほとりで(葉室麟)

歴史小説家としての作者による随筆集。歴史小説が好きな人なら読んでみる価値がある。

透明人間は204号室の夢を見る(奥田亜希子)

独り暮らしをしている売れない作家の実緒は小説を書く手が進まず深夜バイトで生計を立て、誰にも見られることのない自分が服を着る必要はないと自室で全裸生活を始める。人の言葉は額面通りに受け取ってしまうし会話のキャッチボールが苦手で自然で奇妙な表…

誰にも知られたくない大人の心理図鑑(おもしろ心理学会)

わかりやすい図やイラストを使い、人の無意識な行動や認知的な傾向を個別に説明している雑学的な読み物。全体を流れる一貫的な立場に偏ってはおらず、用語の確認にも便利。

子どもの性同一性障害に向き合う(西野明樹)

自身も性同一性障害である臨床心理士による、性同一性障害の人と向き合うための本。 よく知らない他者の性別を認識するときに人は、耳や目から相手の情報を取り入れ、それをもとに性別を無意識に判別している。実際の性同一性障害は、男性の性質と女性の性質…

恋するコンピュータ(黒川伊保子)

AIの研究者であり、感性工学会会員である著者による、AI、感性、言葉についての本。自身の子の成長を見守る中での気づきも役立っている。 認識について: 人間にしろ機会にしろ、誰かに対して情緒性を含んだホスピタリティを発揮しようとしたら、その相手を…

世界の水の民話

命の水、雨と洪水、川の兄弟、人魚と水の精、金の魚、水に沈んだ町の6つのジャンルに分けて、水にまつわる世界の150の民話を集めて紹介している。小説とは異なり伏線も落ちがないのも多いし、奇想天外な展開になったり突然終わったりと、読み物としてはすん…

夜行(森見登美彦)

「夜行」と題する48枚の銅版画シリーズ。それぞれには尾道、伊勢、天竜峡、奥飛騨、津軽、野辺山などの地名も付いていた。それとそっくりな景色を目の当たりにした人の身近なひとが消える。鞍馬で消えた長谷川さんも、その銅版画と関連するのだろうか。若く…

岬のマヨイガ(柏葉幸子)文学の扉

両親を亡くした萌香は親戚の会ったこともない叔父に引き取られるために東北へ向かった。夫の暴力から逃れるため北を目指していたゆりえは、車内で見かけた萌香が気になり、後を追うように一緒に電車を降りた。海沿いの街を地震と津波が襲い、2人は避難先で…