きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

2018-01-01から1年間の記事一覧

神童は大人になってどうなったのか(小林哲夫)

現在も活躍している日本人を中心に大勢の神童をまとめている。とりたてて勉強することもなく興味あることに熱中していたらトップに立っていた。読んだ本はすぐに理解でき、図書館の本も読みつくす。そういう神童たちが日本を世界を支えてくれている。

すべて忘れて生きていく(北大路公子)

エッセイ集+書評集+短編2編 実際に読みたくなる書評集がすばらしい。 世界はしっかりした人たちに支えられている。自分一人の失敗なんかどうってことないし、頑張らなくてもいいや。

ソレ!へんてこな日本語です(冨士本昌恵)

よくある誤用も多くの人が使っていくうちに正式な用法の一つになっていく。

発達障害と少年犯罪(田淵俊彦)

矯正施設や精神科医の取材を通して発達障害と少年犯罪には関連があるかを明らかにしていく。NNNドキュメントで放送できなかった部分まで深く切り込んでいる。

エンディングドレス(蛭田亜紗子)

最愛の夫に先立たれた麻緒はまだ三十代だが、夫の後を追うことに決め身辺整理を始めた。首吊り用のロープを買った帰りに「終末の洋裁教室」のチラシが目に入る。洋裁教室に通う中で生きようとする気持ちが芽生え始めていく。 生きる力をどのようにして手に入…

日経サイエンス 2018年8月号 AIの身体性

今月号はAIと自殺防止の記事を読んだ。 ◆AIの身体性(Self-Taught Robots) 体験を通して自律的に学ぶロボットにより、ロボット工学の進歩と子供の発達に関する知見が得られる。 脳は絶えず未来を予測しようと試みている。脳の高次の処理中枢は感覚器から受け…

不登校になったら最初に読む本(小林高子)

全寮制フリースクール元気学園校長による不登校の子どもに関する本。 当事者自身が抵抗勢力になるため不登校の解決は容易ではない。本来の不登校の原因となる悩みと、子どもの拒絶に家族が反応して起こるものをを区別する。子どもはあれもイヤ、これもイヤと…

ユリゴコロ

タイトルと裏表紙の紹介から想像したのは殺人嗜好を持つ4人の女性の物語だろうということ。実際は全然違っていた。1人で4冊もの長い手記を書いたのだ。何のため?入れ替わり妄想で主人公は統合失調症なのか?性別を曖昧にした目的は?そもそもノートの告…

ふがいない僕は空を見た(窪美澄)

年上の主婦とコスプレセックスを重ねる高校生の斉藤。姑に不妊治療を強制される女性。やっかいなものを何とか乗り越えようとするのではく、抱えたまま生きていく物語。お金とセックスは生きていくのに必要で避けて通れない。「ミクマリ」を含む5つの連作。R…

他人をバカにしたがる男たち(河合薫)

保身に走り、属性や肩書でしか人を判断できない人がはびこっている。女性の中でも進む現代人の「ジジイ」化に焦点をあて、生涯現役社会で輝くヒントを紹介。「このままではつまらない人生になってしまう」と自ら思い、人格的成長を目指したい。

AI原論 神の支配と人間の自由(西垣通)

第一次から第三時に至るAIブームの変遷を踏まえて、AIの本質をみつめ、今後のAIの狙いや行方を分析することを目的とした本。哲学的なアプローチに比重を置いている。耳にしたことがない哲学用語が飛び交う中、第6章が比較的よくまとまっている。

みなさんの爆弾(朝比奈あすか)

独特の暮らし方をしている6人の女性作家の短編集。モヤモヤとした物語、奇妙で不思議な物語、脚色の加わった物語、希望の物語といろいろ楽しめる。気になったのは「メアリーとセッツ」と「戦うなと彼らは言った」 「メアリーとセッツ」は読み直してみたけど…

家の中で迷子(坂口恭平)

夢の中の世界。いつ目覚めるのかと思っていると読みながら寝てしまった。翌日、トツマツって誰だろうと思いつつ先を進めるも5節までで再び撃沈。無事に書斎へ差し戻すことになった。

未来製作所(松崎有理ほか)

「新しい移動」をテーマにしたショートショートアンソロジー。ショートショートらしいオチもあるし、人情もあって楽しめる。未来の移動に思いをはせるとAIや自動運転が思い浮かぶがそれだけではない。新しいアイディアで移動が楽しくなると良い。「山へ帰る…

ちょっとしたことでうまくいく発達障害の人が上手に働くための本

一般的にADHDやASDを持つ人は、美術家や漫画家、研究者に向いていると言われているが、すでに職に就いている人や訓練をしている人は方向を変えにくい。本書はオフィスでの仕事の仕方に的を絞った内容になっている。文具やアプリの工夫、WORD、EXCELの機…

アライバル(ショーン・タン)

字のない絵本。ディストピアから逃れ、移民として住み始めた街では言葉も通じず、奇妙な生物が暮らし、見たこともない道具ばかり。それでも生きていくためには仕事をし食べていかねばならない。無声映画のセピア色の映像が流れていくようだ。

うちの子、安全だいじょうぶ?(宮田美恵子)

「知らない人についていかない。声をかけられたら逃げる」 このような注意では防犯教育にならない。まず「知らない人」というのが大人と子どもでは違う。登下校でよく見かける人は、話したことがなくても子どもにとっては知っている人になってしまう。変な人…

対人距離がわからない(岡田尊司)

親密さと対人距離の関係について、10に分類したパーソナリティでグラフ化したデータを豊富に使って解説。後半は対人関係を操る技術、幸福な対人関係の築き方について。 10のパーソナリティー(障害とまでは言えないが、誰でも偏りはある) ①回避性パーソナリ…

動物進化ミステリーファイル(大渕希郷)

ゾウの鼻はなぜ長いか、キリンの首はなぜ長いかなど、生物の形態や生活にまつわる不思議を全ページカラーイラストで解き明かしていく。絶滅してしまった関連動物のイラストも併せて掲載。中には解けていない謎もある。 およそ40億年前に生物が誕生して以来、…

ことばが消えたワケ 時代を読み解く、俗語の世界(米川明彦)

俗語は一般語以上に感情、心情をストレートに表現したり、相手への印象や場の雰囲気を和らげたりできるが、時代と共に消えていったものが多い。俗語を12のカテゴリーに分類し、それぞれの俗語がどのようにして生まれ、使われ、そして消えていったかを考察し…

縮む世界でどう生き延びるか?(長谷川英祐)

日本が始まってから、人口・経済規模は大きくなり続けてきた。2010年に人口減少に転じ、今後も人口減少が続く。生態学と経済学は似ているが、経済学は規模の拡大を前提とした研究ばかりである。縮む世界で生き延びる生物の生き延び方を参考に、今後の経済や…

英訳付き ニッポンの名前図鑑 和服・伝統芸能

着物や芸能は日本語でも馴染みがなく勉強になる。当然かもしれないが、対応する英語のない物も多い。この本はシリーズの一冊で、文様・模様に興味がありこの本にしたが、和食・年中行事編も読むつもり。

働き方は「自分」で決める(古市憲寿)

起業家ネットワークの中にいる著者が、社会学的な観点も合わせて今後の日本人の仕事のあり方についてのヒントを書いている本。眩しすぎてコミュ障にはつらい。一面的な捉え方をしているが参考になる部分もある。個人的にはダウンサイジングな企業に興味があ…

自分で考えて動ける子になるモンテッソーリの育て方(上谷君枝、石田登喜恵)

すぐ手助けするより、じっくり見守るをモットーに久我山こどもの家で活動する著者たちが幼児期の子どもとのかかわり方について解説している本。 子どもは本来、自分で成長していこうとする生命力を持っていて、適切な時期に適切な環境が与えられば、自分の力…

えとえとがっせん(石黒亜矢子)

十二支の干支がお互いに戦うのではなく、十二支対その他の動物という図式のバトル物。特に十二支サイドが鳥獣戯画を思い起こさせる。シュールで楽しい一冊。ただ、主人公のタヌキ君の必殺技は自身にもダメージがありそう。

キリの美容室(上野歩)

「本来の自分に変身する」 小学生のときに家を出て行った理容師の母に復讐しようと、自身も理容師になったキリは理容師として自信が持てなかった。シェービングはうまくいっても、肝心のカットが決まらない。だが、キリは持ち前の行動力を活かし、母と向き合…

むかえびと(藤岡陽子)

「母親の中に生涯残るものを、子どもは必ず置いていく。命を宿すことはそういうことだ」 助産師として6年目の美歩が働くローズ産婦人科は少し問題を抱えていた。オペをできない院長、腕は確かだが金のためと割り切っているぶっきらぼうな佐野医師、どんなに…

ないたあかおに(はまだひろすけ・いけだたつお)

赤鬼が人間と友だちになるため、青鬼が悪役を演じる。赤鬼と人間は友達になるが、青鬼が姿を消す。 異文化交流には苦労がつきもの。赤鬼視点で見ると、人間という友だちを得た代わりに、友だちだった青鬼を失う。プラスマイナスゼロにも見えるが、何かを得る…

日経サイエンス 2018年7月 ミクソトロフ

ミクソトロフ 生物には独立栄養生物(autotroph)と従属栄養生物(heterotroph)がいる。独立栄養生物は植物などのように体外の有機物には依存しない生物で、従属栄養生物は動物などのように体外の有機物に依存する生物だ。それらの両方の特徴を持つ混合栄養生物…

脇道にそれる(尹雄大)

筆者自身の生い立ちも振り返り、大勢の人からインタビューをして考えたことを書いている。他人の評価のみに依存し自分を社会や常識の枠にはめようとする生き方だと、いつになっても自信が持てず自分と向き合うことなど夢であると繰り返し述べている。 効率や…