未来製作所(松崎有理ほか)
「新しい移動」をテーマにしたショートショートアンソロジー。ショートショートらしいオチもあるし、人情もあって楽しめる。未来の移動に思いをはせるとAIや自動運転が思い浮かぶがそれだけではない。新しいアイディアで移動が楽しくなると良い。「山へ帰る日」「天文学者の受難」「砂漠の機械工」が特に良かった。
砂漠と聞くと冒険をイメージしてしまうのはなぜだろう。ゲームのやりすぎというのもあるだろうが、人工物を連想させず、しかも危険と隣り合わせというイメージを持っているからだろう。実際は予測できるものなど危険とは呼べないかもしれないが、冒険の先にロマンを感じテンションが上がるのは間違いない。
半自動運転も近い将来実現しそうだが、ドライブを楽しんでいる層がどうなるか楽しみである。
収録作品:
ワンルーマー
工場散歩
山へ帰る日
天文学者の受難
ラプラスの兄妹
砂漠の機械工
つなげる思い
ほか