原題はMy brain made me do it.
人間は自由意志に基づいて行動しているのか、あるいは脳内の決定論的システム(アルゴリズム)で動かされているのか。脳神経生理学のさまざまな研究結果を踏まえ、人の意思と行動の関係に迫る。
AIの認知や行動決定にもつながる話で面白く読める。しかし決定論を支持する人が優勢な中で、著者は自由意志の存在をかたくなに守ろうとしているように思える。自由意志が存在しないあるいは、自由意志が介在できるのは僅かである可能性が高いことを認めて、法体系も倫理も道徳も根本的に見直そうとしないのはなぜなのか。