きまぶろ

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地震の巣

 茨城県南部から千葉県北西部にかけては地震の巣と呼ばれている。ここで起きる地震は海溝型の地震活断層型の地震のようなありふれた地震とは性質が異なっている。

 ユーラシアプレートの下に太平洋プレートが沈み込むことで、日本海溝ができ、東日本大震災を起こしたような海溝型地震が起きる。ユーラシアプレートは大陸プレートで比較的軽く、太平洋プレートは海洋プレートで比較的重い。この2つのプレートがぶつかり合うと重い太平洋プレートがマントルへ沈み込みつつ、ユーラシアプレートを引っ張り込む。この2つのブレートのぶつかっているところに、北上してきたフィリピン海プレートが関東地方でぶつかっている。

 太平洋プレートは東太平洋の海嶺で生成し、約1億年かけて日本付近に移動してくる。長時間、海水と触れ合っているため、海洋プレートの中でも最も温度の低いプレートとなっている。一方、フィリピン海プレートは若いプレートで、太平洋プレートほど冷やされていない。つまり、重さとしては、ユーラシアプレートと太平洋プレートの間になり、この3者がぶつかると、ユーラシアプレートと太平洋プレートに上下から挟まれ、沈み込んでいくうちに行き場を失う。このためフィリピン海プレートの先端付近では歪みが貯まりやすく、プレート内地震が起きやすくなる。これが茨城県南部から千葉県北西部にかけての「地震の巣」の原因になっている可能性がある。

 ここ120年で起きた南関東のM7級の5回の地震のうち3つまたは4つはフィリピン海プレート内部が震源である。安政江戸地震もその可能性が高い。