きまぶろ

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知って楽しいわさび旅(産業編集センター)

 大人の学び旅シリーズの3冊目。

 わさびをテーマにわさび田の見学、周辺の観光について大きなカラー写真をたくさんつかって紹介している。はじめにわさびの基礎知識のあと、静岡県有東木、中伊豆、長野県安曇野、東京都奥多摩の4つのわさび田の紹介と、コラムとして他の地域のわさびにも触れている。

 

 わさび(山葵)はアブラナ科で日本固有の食材、辛味成分は「アリルからし油」で、同じアブラナ科の大根の辛味と同じである。アリルからし油はすりつぶされ細胞が壊れた時に生成し、揮発性で辛さのピークは約5分後、生成して30分くらいから揮発していく。わさびは根茎だけでなく、茎・葉・花も食べられる。わさびの花言葉は「目覚め」、「うれし涙」

 日本で栽培されているわさびは本わさびと西洋わさびの2つがある。本わさびは水場で育てると沢わさびと呼ばれ、主に根茎を利用し、畑で育てると畑わさびと呼ばれ、主に茎と葉を利用する。西洋わさびはホースラディッシュ、わさびだいこん、山わさびなどとも呼ばれ、主に北海道で生産されている白いわさびである。

 静岡県有東木(うとうぎ)地域は日本江戸初期に日本で最初のわさび栽培が始まった場所である。沢に沿ってわさび田が続き、周囲の傾斜地には茶畑も見られる。有東木のわさびを分けてもらい、中伊豆でも栽培が始まり生わさび出荷量は日本一である。長野県の安曇野は大正期から平地栽培を開始し、大王わさび農園は観光客に人気がある。江戸幕府の直轄領だった奥多摩にもわさび田が多いが、山の奥深い所に散在しているため見学には不向きである。