駅名標の書体という新しい切り口から、鉄道にまつわるあれこれも加え、著者が全国で撮影した写真を載せている。これだけの素晴らしい写真を撮るのは並大抵の努力ではないだろう。著者の鉄道への愛を感じる。
ただ、誤植が多いのが気になる。前後から補完できるような種類のものでもないので改定版では直っていることを期待したい。もともと馴染みのある鉄道ならわかるが、長野電鉄が新潟だったりすると、写真が間違っているのか解説文が間違っているのか、ただの誤植なのかわかりにくい。巻末のフォントガイドでも、目を見開いてフォントの違いを比べようとしたら、肝心の文字が違っていたりすると興ざめである。