変身(カフカ)
あらすじは知っていたが全文を読んだのは初めて。2、3気になる部分を除いて、翻訳小説の割には読みやすかった。グレーゴル・ザムザは褐色の虫になった瞬間から、家族からは汚物のように扱われ、しかもそれはザムザが死ぬまで一貫してひどくなっていく。
家族の変化といえば、一家を支えていたグレーゴルが存在しないものとして扱われ、両親や妹が働き始めたこと。グレーゴルがいなくても家族は生きていける。グレーゴルの生きていた意味が徹底的に薄まる。家族はグレーゴルを忌まわしいものとして見るが、グレーゴルは最期まで家族の言動を良い意味に解釈しようとしている。
訳ではグレーゴルとなっているが、脳内ではグレゴールとして読み進めた。