きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

猫はこうして地球を征服した(アビゲイル・タッカー)

原題:The Lion in the Living Room

   How House Cats Tamed Us and Took Over the World

 ヒトとネコ科の動物は生息地がかぶり、餌を奪い合うライバルだったがライオンなどの大型のネコ科動物は数を大幅に減らし、代わってヤマネコの亜種であるリビアヤマネコ(Felix silvestris lybica)から進化したイエネコが世界中に生息地を広げ、新たな百十の王となった。ネコ科は哺乳綱食肉目に属しているが、他の食肉目の動物と異なり、肉以外の物をほとんど食べずに「超肉食動物」とも呼ばれる。肉食のみに頼るせいか、個体の維持には広い土地が必要で、ほとんどのネコ科の動物は単独行動をする。ときにはネコ科どうしで殺しあい、互いを食べることもある。人がオオカミからイヌを作り出したよのとは違い、イエネコは自ら進んで人間のテリトリーに侵入してきた面もある。

 人類の3分の1がトキソプラズマという寄生生物に感染しているが、これはイエネコのせいだともいえる。また統合失調症トキソプラズマの関連性も疑われている。トキソプラズマが人間の脳を支配し、行動を変容させているという説もあり、「天使の囁き」を連想する。