きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

ほんとうの花を見せにきた(桜庭一樹)

「だからこそ、あなたが生きていることに重大な価値があるとは思いませんか」

 

 中国の山奥からきた吸血種族バンブーは人間そっくりだが若い姿のまま年を取らない。マフィアによる一家皆殺しから命を救われた少年は、バンブーとその相棒の3人で暮らし始めるも、人間との同居は彼らの掟では大罪だった。禁断の、だがかけがえのない日々。

 

 大切な人の残したかけがえのないものを大事にする。どうせ孤独なのだから、掟も思い込みも打ち破って自由に自分らしく生きてほしいが、現在でなくとも自分で知らなくてもどこかで誰かと繋がっているのなら仕方のない部分のあるのだろう。

 マダケは120年ごとに花をつけるらしい。前回は1970年代だったので、次は2090年代あたりか。ちょうど120年のなのか、約120年なのか気になるところ。間隔が広いので素数である意味はないかもしれないが、120に最も近い素数は113と127で、どちらも約120というには無理がありそうだ。マダケは開花後に一斉に枯れて不吉とされていることと、120年というのは干支ふたまわりに当たることから、こじつけの可能性も考えてしまう。

 ところで表紙は誰だろう。花はジャスミンでもタケでもないし。